【花宮真が誘拐されました。】

追う者［２］ ページ13

山「クソっ、見つかんねぇ！どこ行きやがったんだ花宮ぁ！」

原「花宮が行きそーなとこは見たし、目撃者もいないし。どーする、瀬((

瀬「とりあえず誘拐と見ていいと思う」

山「ゆっ……！？アイツに限ってんなこと((

瀬「あったから言ってんだよ。
それともまだ花宮が俺達に何も言わずに楽しく旅行でもしてるって言うのか？」

山「んなこと言ってねぇだろ！つか何でテメェはそんな冷静なんだよ！？」


山崎が瀬戸の胸倉を掴む。瀬戸は無表情だが、僅かに焦りの色が見える。


原「まーまー、落ち着けって。オレらが焦ってもしょーがないじゃん？
ねー瀬戸、花宮ん家には脅迫みたいなのきてないっぽいけど、誘拐って言い切れなくない？」

瀬「別に金だけが誘拐の目的となるわけじゃない。花宮自体が目的ってこともあるだろ。
恨まれるような覚えは数え切れないほどある」


瀬戸の意見は正論。
山崎は言葉に詰まり、瀬戸から手を離して目を伏せた。

と、その時。


古「皆、見てくれ！」


１人席を外していた古橋が、珍しく息を切らせて到着した。


原「ナニソレ……iPod？確かに花宮そんなやつ持ってたけど、その機種ならどこにでもあるくない？((

古「花宮のだ。」

山「……いやだから、違うかもしれねーじゃ((

古「花宮のだ。」

山「……っあー、はいはい。
ストーカーが言うなら間違いねぇわ。」

古「これがそっちの人通りの少ない道に落ちてた。しかも拾ったときはまだ再生中だった。」

瀬「音楽聞きながらiPod落とすやつはいない。
ってことでやっぱり、……拐われた、であってる。」


しーん、と静寂が場を包む。


山「……け、警察は？」

原「動かないっしょ。まだ何も犯人から来てないし。
つかそれは花宮が嫌がりそうだし」

山「八方塞がりかよ……。

……何か、何かねぇのか！？花宮に繋がるヒント……！」


山崎が苛立った声をあげる。

















「……あ」






小さく声を漏らしたのは古橋。
３人が古橋を見る。


古「……１つだけあった。もしかしたら関係ないかもしれないが、」


そこまで言うと古橋はクルリと体の向きを変え、横目で３人を見ると言った。









「ひとまず夜も遅いし、俺の家に来てくれ。

見せたいものがある。」

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