誘拐：19 ページ23
『イ イ コ ト、しましょう？』
真っ赤な唇に人差し指を当てて、Aが艷っぽく微笑む。
「は、いや、意味わかんねぇから。
殺したい相手に言うことじゃねえだろ、」
『あらぁ、殺したいからやるんじゃなくて？……それに、
あんたも疼いてきてるんじゃない？』
「は、ぁ……？」
『すぐ、わかるわ』
Aの左手が俺の顔のすぐ横に置かれる。
と同時に、手と同様に冷たい唇がゆっくりと押し当てられ、それはすぐに俺の熱を奪い、同じ温度に近づいていった。
前も感じたことだけど、コイツは多分、キスがめちゃくちゃ上手い。
唇を重ねるタイミング、離す時の余韻の残し方、舌の絡め方。
キモチワルくて嫌だ。
嫌なはずなんだ。
嫌なはずなのに、段々乗せられている自分に腹が立つ。
体が怠くて抵抗できねぇのもあるが、逃げ場が無いからAに好き放題に遊ばれていて……それに気付いていてもコイツを押し退けることができない。
俺の中で何かの感情がぐらぐらと揺れているのがわかった。
と、
「ッ……！お、い……！」
『ん……？なぁに？』
Aの手が服の上からスルリと体を撫でた。
首筋から、胸、腹、と伝って服の中に滑り込んでくる。
「何じゃねぇよ……テメェどこ触ってんだ、」
『うるさいわね、ちょっと黙って。』
「っ、んむっ……」
再び温くなったAの唇によって塞がれる。
その間にもAの触れるように撫でる指は止まらず、擽ったくて少しずつ動かされてきた体の熱がだいぶ上がってきていた。
すでに首元近くまで服が捲られているから、外気にあたって涼しいと感じるくらいだ。
熱い。暑くてたまらねぇ。息苦しい。
怠いのも忘れるくらい頭が朦朧として、唾液はどちらのものかわからないくらいに混ざりあって、そこでようやく気付いた。
「おい、A……、
お前が盛ったクスリ、媚、薬ってやつらろ……」
もはや呂律もうまく回らない。
『……そう、ようやく気付いたの？
うふふ、せーかいよ。しかも特別製なの。
……ほら、女嫌いのあんたでさえ、こぉんなに可愛くドロドロになっちゃうんだから。』
Aが俺の頬に手を当てて、心から嬉しそうに笑う。
「っせぇ後で覚えとけよ、このクソ女ァ……」
『……そんなこと、言っちゃう？』
Aが自分の着ている制服のリボンとボタンの、上から３個目までを外した。
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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの２人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(？)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした！ (2016年8月30日 16時) (
レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい！2見てきます！！ (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません！黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます！！ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます！ (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mae | 作成日時：2015年5月12日 22時
