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誘拐:52 ページ10

知る全てを話し終え、ゆっくりと瞬きして黒子は言う。


「僕がこの事件を通して貴方に聞きたかったことはひとつだけです。

貴方はAさんのことを初めから知っていたんじゃないですか?」


「ほお?……そりゃなんでまた」


鼻で笑って俺が答えると、少しムッとした様子(多分。表情は殆ど変わってない)で奴なりの推理を述べる。


「Aさんは、自分だけが誠治さん逮捕の不幸を被った、と言いました。貴方が高校で何も無かったようにそれは楽しく過ごしているのを知ったからでしょう。

ボクも話を聞いて最初は成程、Aさんが貴方を恨んでもっともだ、と思いましたが。

ふと考えました。

花宮真は本当にまったく不幸を被らなかったのか?


数年前に離婚したのに、貴方の苗字は花宮のまま。
花宮、って誠治さんの姓ですよね?

貴方の母親は離婚後も苗字を変えなかった、つまり周りに「実の息子」として見つかり叩かれる可能性は十分あったはずです。

同時に、貴方が普通に報道されたニュースを見て誠治さんに再婚間近、ほぼ家族と言える関係の女性と娘がいたことを知ることはできた、と言えますよね。

ボクの考えはこうです。

貴方は、貴方も殺害事件によって多少の被害を受け、その途中で実の父親である誠治さんに再婚予定の女性とその娘がいることを知った。

そしてAさんが貴方を誘拐し、初めて顔を合わせた時にAさんの正体に気付いた貴方は。

僅かな間でも同じ男性を父親と仰ぎ、事件によって同じように傷付いた過去を持つ人間として……甘んじて彼女の復讐を受け入れることにした。


違いますか?」



淡々とした語り口だが、黒子はある程度は確信を持って推理を披露しているようだった。

はっ、真実の追求に燃えてるってか?
他人事だからって自分の推理に酔いやがって。
とんだ迷探偵だぜ。


「半分当たり。半分は外れ。特に後半が全くもって見当違い。

残念だったな。」


「なっ……」


黒子が僅かに目を見開く。
そんなに驚くなよ。今お前が喋った俺の知らない情報に、こっちの方が驚いてるんだぜ。

誘拐:53→←誘拐:51



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クロユリ_Leia - 完結まで、楽しみにしてます! 2019年になっていますが、いつまでも待ってますよ! (2019年7月27日 2時) (レス) id: cb3cd906f4 (このIDを非表示/違反報告)
花雀 - 続きが楽しみです!!! (2016年11月20日 14時) (レス) id: 7a0edb0cd5 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 白奈さん» 確かめてみたところ、オリジナルではありませんでしたがキーワード設定に不備がありました……ご指摘ありがとうございました! (2016年6月15日 18時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - 気のせいだったら申しわけないのですが、オリジナル作品になっていませんか? (2016年6月15日 17時) (レス) id: 37bc689230 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - らぁらさん» そう言っていただけるととても嬉しいです!期待にそえるようにかっこいい花宮を頑張って書いていきたいと思います。コメントありがとうございました!! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae x他1人 | 作成日時:2016年3月31日 11時

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