誘拐：47 ページ5
しかしまったく、正義の味方ごっこの好きなイイコちゃんの考えそうなことだ。
なんて馬鹿馬鹿しく、愚かしい。
真剣に動機を推理して、真面目に話を聞いた俺が馬鹿みたいだ。
しょうもなすぎて思い付きもしなかった、ただそれだけのこと。
「解放してやりたい」？
それなら苦しさから逃がしてやった方が楽だろーが。
向き合わせる方がよっぽど残酷だ、とは気付かない。
善人ぶった馬鹿は、平気でこういうことをやって退けるから、壊してやりたくなる。
黒子は苛つき始めた俺に構わず続ける。
「僕は貴方を運ぶ間、彼女が貴方を誘拐する理由を尋ねました。
意外にも喋ってくれましたよ。
この物語の真相を。」
………真相。
それはつまり、俺、花宮真と、早波Aと名乗ったこの女との繋がりということだろう。
俺とAとの、過去にまつわる物語。
「……と、その前に提案なんですけど。
一度、彼女についての定義をはっきりしておきたいんです」
「定義？」
「はい。
すなわちAさんの正体、プロフィール、何処までが本当の彼女で何処までが嘘だったのか。
共通認識としてそれらを立てておきたいんです」
「……ふん。まぁ異論はねぇよ」
賢明な判断だろう。
話の途中で本筋から離れることを危惧すれば、Aという登場人物、言うならば主人公を固めておくことは必須と言える。
「それはどうも。貴方も、霧崎の皆さんにある程度彼女についての情報は貰ったんですよね？」
「ああ」
昨晩、まあまあ満身創痍の俺に、奴等は調べて判明したことを長々と喋った。
別に健太郎の説明だけで十分だったのに、俺が怪我している以上誰にも止められなかったのだ。
「では、僕が彼女に直接聞いたことを述べていくので、もし間違ってたら訂正を入れてください、それでいいですか？」
「……あぁ」
コイツなんだか妙に熟れてんだよなぁ……。
犯罪に手を貸した上に、その標的に動機を一対一で語るなんてなかなかに狂った状況だと思うんだが。
「どこからいきましょうか。
シンプルに名前やら年齢やらパーソナルデータ、アウトライン…………外堀から埋めていく、とか。
最初から壁にぶつかりそうな気もしますけれど」
「いや、それでいい。過去の細けぇ話はアトだ。現在のAのことに絞れ」
「そう言うなら。
……えー、ではまず彼女の本名から。」
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クロユリ＿Leia - 完結まで、楽しみにしてます！ 2019年になっていますが、いつまでも待ってますよ！ (2019年7月27日 2時) (
レス) id: cb3cd906f4 (このIDを非表示/違反報告)
花雀 - 続きが楽しみです!!! (2016年11月20日 14時) (レス) id: 7a0edb0cd5 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 白奈さん» 確かめてみたところ、オリジナルではありませんでしたがキーワード設定に不備がありました……ご指摘ありがとうございました！ (2016年6月15日 18時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - 気のせいだったら申しわけないのですが、オリジナル作品になっていませんか？ (2016年6月15日 17時) (レス) id: 37bc689230 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - らぁらさん» そう言っていただけるととても嬉しいです！期待にそえるようにかっこいい花宮を頑張って書いていきたいと思います。コメントありがとうございました!! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mae x他1人 | 作成日時：2016年3月31日 11時
