誘拐:46 ページ4
「ふー……ん……なるほどな。
お前とAの繋がりは最初からあったってワケじゃねぇのか」
「そうなりますね」
「……だとすると一つ腑に落ちねぇ」
「……。……何が、です?」
黒子はしらばっくれるように聞き返す。
「とぼけんなよ。いくらお前が俺に恨みがあるといえど、素性も知れない女の犯罪にそうホイホイと手を貸すやつがいると思うか。
仮にそんな酔狂な奴がいるとしても、"バスケの仮はバスケで返す"が信条のお前に限って。
……は、ありえねぇだろ」
そう、それだ。
実は何度か協力者の推理上に黒子が上がってきたが、幾度となく可能性を打ち消していた理由。
黒子がAに協力するまでの繋がりがさっぱり見えなかったのだ。
結局他の誰とも繋がらなかったから、そこは考えずに推理することになったが。
「……鋭いところをつきますねぇ。
さすがは悪童、秀才の名は伊達じゃない、なんて」
「なんでお前は上から目線なんだよ」
ムカつく。
本心から感心しているところも、天才という言葉を使わず秀才って言うところも。
わざとらしいんだよ、クソが。
「まぁ、言われてみればその時の僕の言動は軽率だったのかもしれませんね。
何しろ殺すと脅されていましたし、うっかり口が滑ったと言えるのかも。
ただ、貴方の言う通り、どれだけ僕が貴方を恨んでいようと目の前で起きようとしている犯罪をさすがに見過ごせなかった。
……と。やだな、そんなに睨まないでください。
お察しの通りこれは建て前ですから。
本当の目的は別の所にありますよ、勿論。
本当は、彼女の瞳があまりにも負の感情に曇っていた
からーーーー
僕程度の経験値でこんなことを言うのもおこがましい、身の程を知れという話ですけれど、
ーーーー恨みや憎しみ、後悔、罪悪感を背負ったまま生きることは、どうしようもなく、死にたくなるほど辛い。
僕はそれを、なんとか解放してあげたい、と。
もしかしたら、偶然僕が居合わせたのは運命で、僕は何かするべきことがあるのかもしれない。
彼女と初めて会った時にそう思った。」
「……」
黒子のいう経験値、とは、中学の頃のあの忌々しい天才達とのイザコザを指すのだろう。
学校と、まして学年も異なる俺ですらその噂は耳にしていた。
コイツがどれほど辛かろうと、俺の知ったことではないけど。
392人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロユリ_Leia - 完結まで、楽しみにしてます! 2019年になっていますが、いつまでも待ってますよ! (2019年7月27日 2時) (レス) id: cb3cd906f4 (このIDを非表示/違反報告)
花雀 - 続きが楽しみです!!! (2016年11月20日 14時) (レス) id: 7a0edb0cd5 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 白奈さん» 確かめてみたところ、オリジナルではありませんでしたがキーワード設定に不備がありました……ご指摘ありがとうございました! (2016年6月15日 18時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - 気のせいだったら申しわけないのですが、オリジナル作品になっていませんか? (2016年6月15日 17時) (レス) id: 37bc689230 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - らぁらさん» そう言っていただけるととても嬉しいです!期待にそえるようにかっこいい花宮を頑張って書いていきたいと思います。コメントありがとうございました!! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mae x他1人 | 作成日時:2016年3月31日 11時