誘拐:44 ページ2
「僕が彼女に初めて会ったのは4日前、ちょうど貴方がAさんと会った……いえ、会うまでもなくぶっ飛ばされたんでしたっけ?
「……え?笑うな?
いえいえ、ただ少しざまぁみろとは思いましたけど。笑ってなんかいませんって。
「……話が逸れました。
えっと、貴方とAさんが接触した数分後、僕は彼女と出会うことになりました。
「ええ、最初から知り合いだったわけではありません。
本当に偶然でした。
「……そうですね。あの場所は確かに誠凛高校とも自宅とも離れてはいますが、電車にしてみると大した距離ではありません。
「あの夜は僕の好きなシリーズの新刊発売日で、どうしても手に入れたかったんですけど、何しろ部活の後だったので近くの本屋では売り切れで。
ほら、あの辺に大きい本屋があるじゃないですか。あそこにならあるかと思って、寄ったんです。
「それでその買い物の帰り道、1人で歩いていたところで彼女を見つけた。
「別に、最初から話し掛けようなんて気はなかったんですけど。
なんだか周囲を気にしながら誰かの後をつけているみたいだったので、気になって少し見ていたんです。
「ああ、好奇心が強いとか、見た目に寄らず行動力があるとかは、よく言われます。元々影が薄いので、尾行には向いてるのかもしれませんけど。
「少し経って、前の方に男子高校生が歩いているのがわかりました。僕はてっきり彼女が告白かでもするのだと思い、多少の違和感は感じたものの、邪魔してはいけない、と別の道に行こうとしたんです。
「ちょうど背を向けた時、男の人の苦しげな悲鳴が一瞬、鈍い音と同時に聞こえたものですから、慌てて振り返りました。
「見ると、道に立っていたのは彼女1人。
男性、つまり貴方は倒れていました。
「彼女は数秒間立ち尽くした後、あらかじめ用意しておいたのでしょう、車椅子を引っ張ってきて、貴方をそれに乗せようとしていました。
一瞬で事を済ました割にはふらついていて、随分苦戦している様に見えました。
意識を失った人間って相当重いらしいですから。
「僕にはまだ何が起こっているのかわかりませんでしたけど、取り敢えず近付いて、手を貸しましょうか、と声を掛けました。
「彼女は当然尋常じゃない驚き方を見せました。
声を出さなかったのは賢明だったと思いますけど、誘拐現場を見られた訳ですから、血の気の引いた顔をしていました。
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クロユリ_Leia - 完結まで、楽しみにしてます! 2019年になっていますが、いつまでも待ってますよ! (2019年7月27日 2時) (レス) id: cb3cd906f4 (このIDを非表示/違反報告)
花雀 - 続きが楽しみです!!! (2016年11月20日 14時) (レス) id: 7a0edb0cd5 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 白奈さん» 確かめてみたところ、オリジナルではありませんでしたがキーワード設定に不備がありました……ご指摘ありがとうございました! (2016年6月15日 18時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - 気のせいだったら申しわけないのですが、オリジナル作品になっていませんか? (2016年6月15日 17時) (レス) id: 37bc689230 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - らぁらさん» そう言っていただけるととても嬉しいです!期待にそえるようにかっこいい花宮を頑張って書いていきたいと思います。コメントありがとうございました!! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae x他1人 | 作成日時:2016年3月31日 11時