疲労度MAX【テニプリ】

控えめに仕事させて.8【番外編】 ページ8

「さぁ_始まりました!!大阪四天宝寺中、ミスコンの開催です!!実況は私、放送委員長の渡辺がお送りします!!

計30名の可憐な乙女達がたった一つの玉座に座るために死闘を繰り広げる…実に素晴らしい!!」

己の欲が見え隠れしている実況者渡辺に、冷ややかな視線を送るがそれさえも御褒美と、女である渡辺はその視線の先にいるAをウットリと見つめる。

日時は十二時。太陽は今正に真上にある。時期的には暖かな日差しのはずだが人が集まりすぎてむさ苦しい。汗に滴る出場者達に目を光らせるのは必然。この空気をどうにかしたいものだが自らも出場者の一人だ、声に出しては場が一段と悪くなる。

「やはり優勝者争いに残るのはあの3人ですよ先生」

「おー、せやな!!ここら一帯で名を馳せとる女子はそうおらんしな。
一人目、倉橋
二人目、花宮
三人目、山瀬…いや、こいつらは全国レベルやで?見つめられたら中学のガキなんてイチコロやろ」

何故自分の名前が挙がるのかが良く分からない。Aは自分の顔立ちには少々自信がある方だがそれよりも前に呼ばれた二人の彼女達の方が、彫りが浅くまた自分よりも表情が柔らかい可愛らしい年相応の女の子だ

グラウンドの中心に小一時間で作った舞台を置いただけのステージの横に移動し丁度こちらに来た忍足謙也に理由を尋ねてみる。

『ねぇ謙也、私ってどうかな?』

「その言い方やと誤解を招くで…
でもまぁ、綺麗やと思うし。モテる顔っちゅーか、うん。俺は可愛いと思うで…?」

『ありがと、やっぱり真正面から言われると照れるね。自信ないけど生徒会長として他校に顔出しても恥ずかしくないよう努めるね』

頬を若干染める謙也の告白じみた言葉もむなしくAは手を振ってステージの女の子に紛れた

この文化祭のミスコンは次に控える”ミスター女装コンテスト”通称ミス女装の為に時間短縮で行われる。つまりファッションショーみたいな事などはしない。ただ衣装に着替え審査員に評価してもらい優勝を決めるだけの簡単な大会だ。

しかし、この大会は他と少し違い優勝者には使い切りのカードが一枚貰えるのだ。それ目当てで今後の学校生活が大きく変わると群がる女達が大勢いる。

Aはミスコンに出る彼女達を見守る係なのだ。

「まず、初めの一次審査は__水着!!といきたかったのですが生徒会長と教師によりチャイナ服となりました」

「流石に水着姿を狼共に見せるのはと女性陣の反対があったからデス」

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