控えめに仕事させて、てか帰らせて.23 ページ23
「あれ?おらんやないか」
『…だました?』
「いやいやマジだって」
さっきまで全員がいたという場所まで来たが誰も見当たらない。二人は辺りを見あたすがそれらしき人もましてや人もいなかった。謙也は焦ったように参ったと頬をかき、Aは考えても無駄と謙也の背中を押した
『まあ先に行っちゃったって事で奥にいこう。まだ距離は開いてないと信じてさ。それまでは二人で良いんじゃない?仮にいなくても笑い話になるだけだから』
先ほど言った「だました」と言うのは冗談で言ったつもりだったのだが思った以上に謙也が焦っていることに気づいたAはなだめるように背中をさすりそして押していく。そして数十歩歩いたら流石に疲れて謙也の後ろから隣に来た。
『でもいないな。早歩きでもしてるんじゃない?』
「財前とか飽きて戻って来そうやけど…」
そうしてまた数分たわいのない話をして歩いていたら少しずつ賑わう声が聞こえてきた。やっと合流できると走ったらあるドアの方から笑う声が聞こえてくる。
慎重に開けると跡部と手塚が卓球をしていた。ギャラリーには応援なのか解説なのかただただ声を荒げ興奮している人たちが大勢。もちろんそこには探していた奴らの顔も見える。
すかさず謙也はドア前にいた財前に話しかける。
「あの二人はなりやっとるんや」
「見りゃわかるやろ。卓球ですわ」
「いやいやそれを聞いてるんやなくて」
「あ、会長さんこんちわ」
『こんちわ財前君。なんであの二人が卓球してるか分かる?』
財前がわかりやすく話したのは「ほんとは風呂上がりにやるのが一番だが風呂上がりから勉強を開始するので今決着をつける」と跡部が手塚に勝負を挑んだらしい。卓球やるならテニスしろと思ったが皆勝負がなかなか終わらないのでどっちが勝つかかけている。とのこと。
「で、先輩らはどっちにかけるんすか?」
財前はかけていないらしいが賭けの懸賞は招待状らしい。何の招待状かは軽く想像できる。
『まあ手塚かな。手塚はハイスペックだし、跡部と良い勝負だけど性格面で跡部は負けてるし。かちそうなのは手塚だと思う』
「Aなにか跡部に恨みでもあるんか」
『いや、でも何となく分かるでしょ?』
小さく頷く謙也はヒヨコにしか見えないとAはくすっと微笑む。
当の本人の跡部と手塚は技名を口にしながらまだ玉を落とさない。
『でもワンセットどころか一回も玉が落ちてないのに驚きを隠せない』
「それな」
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山下後輩(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 原哲也ですか!!高校生組でも出せそうですね!!でもちょっと笑ってしまいました。小説は厳しいですがキリがついたら番外編で出したいと思いますね! (2017年11月4日 20時) (レス) id: d71824c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年11月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - 有馬さん» ありがとうございます!家庭事情により更新がものすごく遅くなりますが頑張っていきたいと思います!! (2017年6月6日 0時) (レス) id: 9f003b2981 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - すっごい面白いです!!!更新がんばってくださいね^ - ^ (2017年5月20日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山下後輩(マオ) x他1人 | 作成日時:2017年4月5日 20時