控えめに仕事させて.10【番外編】 ページ10
15名と半分の人数が削れた中、渡辺から悲惨な報告が発表された。と言うのも自分の名前を呼ばれただけなのだが。
それがどれほどAに致命傷を負わせたかはこの青白い顔色ですぐ分かる。
『辞退…辞任…』
すぐさま舞台から身を引きたいと思っている彼女だが叶うはずもなく新しい衣服が用意される。次のお題は警察官だ。
この審査が殆どコスプレなのは意味がある。それは四天宝寺中にはお笑いのために用意された要らないほどの衣服で埋もれているのと、そして去年と同じ服で被っていると外野のノリが悪くなるからだ。
だが審査もこれで最後。もう終幕を迎えようとしている。この小っ恥ずかしいふざけ要素満載の服を脱ぎ捨て、着慣れた制服を着れる。
中々センスが無い制服だが今回ばかりは輝いて見えるほど今正にAは自分の制服を欲していた。
「おおっと__!?本来ならここで終わるはずだったミスコンですが!!なんと最終決戦があるそうです!!今から名前が呼ばれた方は更衣室に行き速やかに指定された服を着ますようお願いします。それ以外の方は着替えて舞台から降り待っているように!!」
突然の出来事に変人実況者渡辺も少し戸惑いながら名前を読み上げる。当然のようにAの名前が呼ばれ更衣室へ小走りで移動。
自分を含む計五人は自分のネイムプレートの隣にある衣装に驚きを隠せず声を上げた。
『なんでドレスなんかがあるの…』
皆それぞれ違う柄、違う色で違うタイプのドレス。目の前にあるのは背中が大胆に開いており左側の腰辺りに朱色の薔薇が付いている。赤と黒の見栄えがあるドレス。その上にはドレスとセットのようなバレッタの髪飾りもある。
着るのに一苦労だなとため息を溢し周りを見渡すと大体他の子達の服も時間がかかりそうな感じだった
数十分もかけ髪の毛も結い直し、鏡で確認する。いつも耳上で結んでいるだけの黒髪を飾りに見合うよう一つの三つ編みにした。たったそれだけなのに見違える様に変わったのは気のせいでは無い。
他の四名も無事問題なく着替え終わり一緒にまたあの舞台に登る。
「最終審査のお題は社交ダンス!でも、そんなに難しく考えずに踊って下さい!!お相手は自由で、早いもん勝ち!ではスタート!」
忙しい渡辺のスタートから一斉にパートナー探しに走る少女達。だがAは落ち着いた様子でゆっくりと目的の人を探す
「よっとっ!なぁなぁ俺と一緒に踊らね?」
『踊らないといけないのは私だけど…もとからそのつもりだよ。ブンちゃん』
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山下後輩(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 原哲也ですか!!高校生組でも出せそうですね!!でもちょっと笑ってしまいました。小説は厳しいですがキリがついたら番外編で出したいと思いますね! (2017年11月4日 20時) (レス) id: d71824c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年11月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - 有馬さん» ありがとうございます!家庭事情により更新がものすごく遅くなりますが頑張っていきたいと思います!! (2017年6月6日 0時) (レス) id: 9f003b2981 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - すっごい面白いです!!!更新がんばってくださいね^ - ^ (2017年5月20日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山下後輩(マオ) x他1人 | 作成日時:2017年4月5日 20時