検索窓
今日:75 hit、昨日:21 hit、合計:98,074 hit

50 ページ50

僕は探偵社の寮に案内した。
太宰さんの部屋は1階の階段のすぐ側。


「この部屋です。一応今朝声をかけたんですが…」

「扉を壊していいか?」
「ダメに決まってるじゃないですか!」


(何を言ってるんだ!?)


すると中原さんは頭を触り1つ、クリップを取り出した。
くぐっている髪に隠れていた。
それを伸ばしては鍵を指すところに差し込んでいた。


「な、なにしてるんですか?」

「ピッキングだ。
数年前Aから習ったからあまり上手くねぇけどできねぇ事はねェ」


中原はそう言って鍵穴に入れてピッキングをした。
真剣な顔で思わず止めた。
が、彼はし続けながら言葉を返した。


「犯罪ですよ!?」
「既に法を犯してるマフィアに対してそれを言うか?」

「でも…開けてくれるまで待ちませんか?」


(無理やり開けるのは_)


どうなっているか気になるけどそれはダメでしょう
人の家ですよ!?

それでも中原さんはため息をついた。


「クソ太宰が開けるわけねぇだろ」
「Aさんがです!」

「それも開けるわけねェ」

「なんで言い切れるんですか?
それに1週間も閉じこもっていたら外に出たいはずです」


僕がそう言うと彼は僕に視線が向いた。
ピッキングをその時だけは止めた。


「中島、Aはそんなしっかりとしたヤツじゃねぇぞ」
「へ?」

「太宰が心中しようとするとそれに付き合うくらいにはヤベェ奴だ」

「はい!?」


(心中って…)


いつも太宰さんが誘う…一緒に死ぬこと。
そう言えばAさんを誘うところは1度も知らないなぁ。

その瞬間、僕のポケットが震えた。
マナーモードにしていた為、音は出なかった。
耳に構えると慣れた声が聞こえた。


【やぁ、敦。僕だよ】
「乱歩さん!」


掛けてきたのは乱歩さんだった。
お菓子を食べているのか飴玉を転がしてる音が微かにした。


【そばに居る素敵な帽子くんがもうそろそろ扉を開けるから、敦は帰って方がいい】

「はい?どういうことですか?」

【敦には刺激が強いから離れといた方がいいよってこと】
「刺激?__!」


(ええええっ)


そっか、恋人…か。
恋人が家ですることなんて、流石に18になると分かる。


【じゃぁねー】
「あ、ありがとうございました…乱歩さん」

【あ、帰りに駄菓子買ってきてね】


そう言って電話が切れた。
思わず気まずくなると、ガチャン_と扉の開く音がした。。

この小説の続きへ→←49



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
346人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シグマ(プロフ) - 黒川かぐやさん» うふふふ、嬉しいです!ありがとうございます!まじ共依存しか勝たん★ (8月27日 20時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - あの、好きです……えっと、その👉👈ほんとにこの関係が好きで、この作品沼すぎて、何回も見直しちゃってるくらいです……共依存しか勝たん🥺👊 (8月27日 18時) (レス) id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 橘スミレさん» ふふふ、ありがとうございます! (8月27日 3時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - これぞ共依存ですね。最高です。 (8月27日 0時) (レス) @page44 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 眠いちゃんさん» おおっ、いいところに気づくねぇ!(ありがとうございます!) (5月13日 19時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2022年10月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。