8kg ページ10
『……あー、怖い。もう、あんな目は………』
私は走った。
思い出すだけでゾグッと背中が震えた。
『うわぁ!?』
「きゃ!?」
ふと、誰かと当たってしまった。
目を開けると、金髪の女性とぶつかってしまった。
『ご、ごめんなさい…大丈夫ですか?』
私は手を差し出した。
彼女は手を取って、立ち上がった。
「すみません…此方もちゃんと前を見てなくて」
『いやいや、走ってた私が悪いです。
私は中原Aです。貴方は?』
「私は樋口一葉です。………ん?中原?」
彼女は樋口一葉さんだった。
私は一礼して、龍の所に歩いた。
『すみません。少し急いでるので…』
樋「え、え!?」
〜〜〜
〜〜
〜
『龍…!』
芥「ん?なんだ?」
私は龍の部屋を開けた。
龍は椅子に座って、本を読んでいた。
『ヤバいヤバい。尾崎と会った。
死んじゃう!』
芥「!?…落ち着け」
『どうしよう…嫌われてるのに、もう顔見せない方が良いと思ってたのに!!』
私は慌ててしまった。
龍はふと、私の手を握った。
『ぁ…』
芥「……」
『……ごめん…』
私は龍が握った逆の手で、頭を撫でた。
龍は優しく笑った。
芥「落ち着け…Aは冷静さがあるだろ。
無くなっては、意味が無いぞ」
龍はそう言った。
私は目を見開けた。
(冷静さがある?……私には…あるんだ…)
私は少し笑った。
『……そうだよね。ごめんね。ありがとう』
芥「……フン…」
私はなんとか、冷静さを取り戻した。
龍は私を見て微笑んだ。
私は龍を弟のように接してる。
ちょっと不器用な弟。
『いや、龍に気付かされるなんてね…』
芥「当然の事をしただけだ。」
すると、荒々しくドアが開いた。
そこには兄と尾崎が此方を見ていた。
中「大丈夫か?」
『え?大丈夫だよ』
(今治してもらったし……)
芥「……」
尾「そのA…」
『尾崎…さん……』
174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/
作成日時:2020年10月14日 14時