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「思ったより複雑みたいだね」


名探偵はそう言って私の傍にやってきた。
ご主人様は国木田が仕事をしながら警戒して、その他は私の周りに集まった。


『複雑じゃない。』

「なんで芥川は異能の言葉を無視するのかねェ?」
『きっと私が分離しちゃったからだよ。怒ってる』


私はそう言った。
探偵社のみんなはどこか心配そうに私を見た。
すると私の目の前に鏡花が立った。
顔を上げて目を合わせると、頭を優しく撫でてくれた。


(暖かい…)


「無理しないで」
『…』

「あの人が嫌なら離れたらいい。
ここはポートマフィアじゃないから素直でいいの。」

『!』


鏡花はそう言った。
そしてまだ付けているうさぎの耳に触れてくれて「かわいい」と褒めてくれた。


(素直でいい…)


無理してる訳じゃない。
でも、もう少し…もう少し甘えたい。

そう思うと、目の前で撫でてくれる鏡花に体を倒して抱きしめた。
ご主人様にしたいけど、まだ冷たいご主人様にできない。


『ぎゅーって…してたい』
「うんっ」


そう言うと、鏡花は腕を回してくれた。
軽く頭も撫でてくれて、すごく嬉しかった。


『えへへ、大好きっ、鏡花』
「うん…私もあなたのことは嫌いじゃない」


しばらく、鏡花に抱きしめられた。
何回も傷つけちゃったのに、鏡花は私のこと嫌いじゃなかった。

嬉しくて思わず顔に万遍の笑みが戻った。


そしてまたガヤガヤし始めた。
みんなに頭を撫でられて、名探偵とお菓子も作った。


(全部、楽しい!)


__
_


芥川は遠くから羅生門を見た。
ニコニコしていて、探偵社のみんなと仲良くしているようだ。
急に目が光が無くなった時は、やはり己の異能なんだと理解出来た。


(…)


「ま、僕が食べるけど」
『あ゙っ、私が作ったのに!』


(理解出来ん)


異能力はただの異能力だ。
感情も何も無いはずだ。

なのに、どうしてあんなに僕より人間らしいのだ。。

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シグマ(プロフ) - ペネロッペさん» 閲覧ありがとうございます!はい、少し更新停止です。大体半分くらい書けたので少し物語の整理をしてからまた書き進めたいな…と!ゆっくりになりますがよろしくお願いします! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» すみませんっ!気づかなくて返信遅れました。うふふ、どうなるかはこれからお楽しみ下さい。いつもありがとうございます! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - こ…更新停止ですか……? (2022年11月1日 12時) (レス) @page27 id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - 来るなと拒絶して捨てるのはいいけど乱歩さんの話聞いてた芥川君とツッコミたいですね愛してあげて抱きしめないと無理と言われてたのに太宰さんや森さんに叱られかねん対応ですね (2022年10月25日 8時) (レス) id: 4d7646cafb (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» えへへ、ありがとうございます!凄く嬉しいッです!それに2回もコメントありがとう! (2022年10月15日 6時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2022年9月24日 22時

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