【l.u z】吐息王子と一緒に【歌い手男主】

18やけど ページ19

Aside


「そんな事言うふぅなんか嫌いや！」


“嫌いや！”


こうに嫌いって言われた。

先に嘘ついたのこうじゃん。

あ、でも俺がからかってこんなにしたのか…俺が悪いやん。

4人の中に気まずい空気が流れる。
ここに居たくないなあ…

「わかった…」

もう感情がぐしゃぐしゃになった俺はその場から走って逃げた。

一瞬見えたこうの顔、俺とそっくりの顔が呆然としていた。


我武者羅に走って走って走って、なぜか3人が追いかけてきてて、こんなぐしゃぐしゃの感情と情けない顔見せたくなくって俺も全力で走った逃げた。


ちゃんと運動してたのは高校生ぐらいなので、だんだんバテてきた…追いつかれちゃう

角曲がって曲がれば撒けるかもしれない。
1番に目についた路地裏へ入った。

「っぁ、いきど、まり？」

行き止まりだ。

思わず出た声は息が上手く吸えてなくてひどい。体力も底をついている。

どうしようでももう後ろから足音が聞こえる。

「ふぅっ追いついたっ…」

息がきれてて、掠れた声

俺の傍に1番いる声

やっぱり“お兄ちゃん”には勝てないよなあ

溢れそうになる涙を堪えて振り返る

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