【ヒプマイ】月が満ちる時に。3 (ページ10)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:93,226 hit

story104 ページ10

乱数「ボク、そこに行くから！

だからボクと寂雷が会わないようにしといて！

お願いねおねーさん！

じゃっ、ばいびー！｣

『ちょ、乱』

乱数は私の言葉も待たず勝手に電話を切った。

もー……いつもこうなんだから…。

勝手にかけてきて勝手に切っちゃう。

ほんとに……あんな可愛い子じゃなかったらもうめっちゃ怒るのに！！！！

左馬刻「A、お前…今誰と話してた？｣

『あ、…乱数、だよ。

乱数。飴村乱数。

……左馬刻達も知ってる元The Dirty Dawgの』

寂雷｢なっ……貴女は飴村君とも知り合いなのですか？｣

一郎｢ということは…Aお前、The Dirty Dawg全員と知り合いなのか？｣

『うん、まぁ……そういうことになるね？』

一郎｢すげぇな…不思議な縁だ…｣

不思議な、縁…ね。

まあそうとも言えるかもしれない。

あなた達とは“あの頃”からの縁だしね…。

ガシャン！
｢はいはーい！乱数がきったよーん！｣

そう言ってご機嫌そうに部屋へ入ってきたのは先程私に電話をかけてきた乱数。

『は！？乱数？

早すぎるでしょ！？』

乱数「べっつにーボクにしたらこんなの朝飯前だよん！

……で？おねーさん約束が違うなぁ？

ボク、寂雷と会わないようにしてね、って言ったよね？

それなのになんでここに寂雷がいるのー？｣

『はぁ…乱数、ここは先生が働いてる病室だし、
先生は私の主治医なんだよ？

そんなの無理に決まってるでしょ？』

寂雷｢飴村君…｣

左馬刻｢……っへ、この面子で集まんのは久しぶりだなぁ？｣

…

一郎、左馬刻、乱数、寂雷先生。

The Dirty Dawgの4人が、揃った…。

左馬刻の一言で部屋の空気が一気に重くなくなり、沈黙が走る。

それによってドアの奥の廊下からよく聞こえる看護師さんの会話。

看護師1「ねぇ、さっきこの部屋にFling Posseの乱数君入ってくんの見たんだけど｣

看護師2「え？私、MAD TRIGGER CREWの左馬刻さんが入ってくの見たよ。｣

看護師1「えぇ？……あ、そういえばさっきBuster Bros!!!の山田一郎君も入室したような…｣

看護師2「ここの部屋の患者さんて寂雷先生が主治医担当してるよね？｣

看護師1「てことは……え！？The Dirty Dawg揃ってるの！？｣

看護師2「え！覗きたい！見たい！……ダメかな｣

看護師1「ダメだよー、ほら、行こう｣

看護師2「えぇ気になるー｣

『…あの、みんな…』

沈黙を割くように声を絞り出した。