遠い国 文化からして違う ページ5
あれ…?どうして日本がいるんだ?
俺は丸くなって寝ている日本を凝視しながら、寝起き特有の回らない脳味噌で、何故今この様な状況になったのかを思い出そうとする。
……駄目だ、全く思い出せない。
わかる事といえば、さっきまで凄く懐かしい夢を見ていたということ。そして今は西暦1902年ということだけだ。
「…ん…むにゃ…」
寝ている日本は俺が混乱していることなどつゆ知らず、呑気に寝返りを打った。
……にしても、日本って神秘的だよな…そばかす一つないハリのある肌、けっして高いというわけではないが、スッと通った鼻筋。そして極めつけは、手入れの行き届いた艶のある黒髪。
俺みたいなコーカソイドにはない、モンゴロイドならではの魅力だ。
なんて日本の寝顔に見惚れていると、繊細な網のような睫毛が、ゆっくりと持ち上がったかと思うと、その漆黒の瞳と目が合った。
「おや…おはようございます、イギリスさん。」
そう言って日本は上体を起こす。
そして何があったかいきなり顔を赤らめ出した。
「こ、これは!失礼しました!見なかったことにしてください!」
日本は大層慌てた様子ではだけたパジャマによって全開となった上半身を布団で隠す。
「浴衣が…緩んでしまって」
「おう、気にすんな。」
俺は混乱を隠すように笑ってみせる。というかそのパジャマ、ユカタって言うんだな…。
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作者名:藍沢悠人(ゆうひ) | 作成日時:2015年5月8日 6時