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一度好きだと認めてしまうと、想いはどんどん大きくなって収拾がつかなくなってしまって。
部屋で1人で居る時に、歓迎会で撮らせてもらった五条先生の写真をこっそり眺めることが増えた。
唇がぷるぷるなこと、眉毛も白いこと、大きくてちょっと骨張ってるけどすらっとした指、まつ毛が伏黒くんよりファサファサしてること…
新しい発見をする度、この人に会う度に自分の中の好きが増していくのだ。
いちご大福の白い粉が口の端にずっとついているのだが、それすらも愛おしく思ってしまう。
恋は盲目とはよく言ったものだ。
でも今日は12月、来月には硝子さんが帰ってきてしまう。
この想いをどうすれば良いのか、私は分からないままで居た。
『…先生、口の端に粉がついてますよ。』
「え〜うそぉ。A、とって〜?」
私は机の端に置いていたティッシュを手に取り、五条先生の唇を拭った。
「そこはさ、指で拭ってペロっと舐めて『美味しいね♡』とか言うとこじゃない?」
そして2人は恋に落ちた…とかなんとか言っている。
『白い粉舐めたって味しませんよ。そんな少女マンガみたいなこと、私しませんから。』
「本当、顔は可愛いのに中身は結構男っぽいね。野薔薇や真希と一緒に居すぎたのかな。初めはあーんてしただけで顔赤くしてたのに。」
『…うるさいですよ。』
照れてるー!と言いながらケラケラしているのを見て、本当になんで好きになったんだろう。そう思って小さくため息をついた。
「でさ。クリスマスイブの日、任務終わった後空いてる?」
急に真面目なトーンで話し始めるので、ちょっとびっくりした。
『…空いてますよ。』
つられてちょっと硬い声が出てしまった。
「じゃあ、ちょっと付き合って欲しいところがあるんだけど。いい?」
『分かりました。
…どこか行くんですか?』
「…内緒。制服でいいからね。」
じゃあ仕事がんばって〜と手をひらひらさせながら、五条先生は医務室を出て行った。
ふと、手元ある湯呑を覗き見ると緑の水面に自分の顔が映っていて。
「…今日から毎日パックだな。」
思わず緩んでしまう頬を両手で抑えた。
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夢花(プロフ) - ユリ.さん» ふふふwwwそうなんですかwwwこれぞ小説のちか(((殴 メタメタァ (2021年5月7日 9時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 夢花さん» マジで息できないですよね。(笑)終わった後息も絶え絶えになりますもんね!夢主ちゃんも呼吸困難になったと思いますが、ここで死なせてもアレなのでちゃんと息できたことにしてます。(笑) (2021年5月7日 7時) (レス) id: c519aef02a (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 普通にこしょこしょは死人でますよ?だって息できないもん{笑ってるから}(・_・) (2021年5月6日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 陽菜月さん» 口から心臓はやばい!(笑)しまってしまって〜(笑)もう少し待っててくだされな!まだ本調子になれず…(;_;) (2021年4月16日 6時) (レス) id: 5035154a58 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜月 - もう、続きをワックワック胸を踊らせながら待ってます!!(ワックワック!んあ!?ワクワクしすぎて口から心臓が!?グロイ!) (2021年4月15日 22時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年4月2日 20時