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窓辺に置いた白いバラの蕾が少しだけ開いている。
その姿が何とも愛らしくて、思わずツンと指でつついた。
つつかれた衝撃で少しだけピコピコと揺れる蕾を見て、私はあのクリスマスイブの日を思い出していた。
あの日、五条先生に抱きしめられたクリスマスイブの日は、あの後は何事もなかったようにタクシーで駅に向かった。
今日付き合ってもらった御礼に、何でも好きなものを買ってあげるよ、と言われたので私はもう一度花屋に行きたい、と言った。
なんだかんだで、あの花屋で見た可愛らしいブーケが忘れられなかった。
しかし、ブーケを目の前にするとやっぱりすぐに枯らしてしまいそうと思ってしまう。
悩んでいると「これにすれば?」と言って五条先生が掴んできたのが白いバラの鉢植えだった。
まだ全然花開いていない蕾が何個かついている。
『…これにします』
「え?それで良いの?他の花もあるし、色も色々あるよ?」
『これが良いんです。色も白がいい。』
「…そう?じゃあ店員さん、コレ下さい。」
私が選んだ白いバラの鉢植えは店員さんによって透明の袋が軽くかけられ、花が潰れない様に大きめの紙袋に入れられた。
新幹線の中でも大事に抱えていると、五条先生に「そんなんで喜ぶなんてAはやっぱりまだ子どもだな」と言って笑われたが無視した。
東京駅に着いたのは夜の19時頃だった。せっかくなのでご飯でも食べて帰ろうと言うことになり、何かリクエストは?と聞かれたのでザギンでシースー!と即答した。
五条先生はお気に入りのお寿司屋さんにに連れて行ってくれた。
回らないお寿司屋さんは初めて来た。
全てが感動するほど美味しかった。
大満足でお店を出た私は、今にもスキップしそうなほどルンルンだった。
チラリと見えたお会計は一食分の金額とは思えなかったが、もちろん五条先生が奢ってくれた。
「そんなに喜んでもらえるなら連れてきてよかったよ。何が1番美味しかった?」
『あがりです。』
「え?」
『あがりです。最後に出てきたお茶!』
お寿司が美味しいお店はお茶まで美味しいんですねー!と言えば、「あぁ、うん、そうね…」と少し悲しそうだった。
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夢花(プロフ) - ユリ.さん» ふふふwwwそうなんですかwwwこれぞ小説のちか(((殴 メタメタァ (2021年5月7日 9時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 夢花さん» マジで息できないですよね。(笑)終わった後息も絶え絶えになりますもんね!夢主ちゃんも呼吸困難になったと思いますが、ここで死なせてもアレなのでちゃんと息できたことにしてます。(笑) (2021年5月7日 7時) (レス) id: c519aef02a (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 普通にこしょこしょは死人でますよ?だって息できないもん{笑ってるから}(・_・) (2021年5月6日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 陽菜月さん» 口から心臓はやばい!(笑)しまってしまって〜(笑)もう少し待っててくだされな!まだ本調子になれず…(;_;) (2021年4月16日 6時) (レス) id: 5035154a58 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜月 - もう、続きをワックワック胸を踊らせながら待ってます!!(ワックワック!んあ!?ワクワクしすぎて口から心臓が!?グロイ!) (2021年4月15日 22時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年4月2日 20時