351. ページ10
.
貴子「お疲れ、A、ちゃんとお風呂であったまって、あったかくして寝るんだよ」
唯「ちゃんと川上くんに送ってもらってよ！いい！？」
幸子「生姜湯がいいらしいからね、レシピ送るから、今夜」
春乃「A先輩…ほんとにお疲れ様でした」
「ちょ、みんな大げさ」
ミーティングを終えて、部室に戻るとみんなが着替えて私に手を振りながら出て行く。
やっぱり女の子は気持ちがわかるからこそ、言葉に重みがある。みんな共通の苦しみなのに、こうして心配してもらえるのも有難いなぁ…。
「私もノリ呼んで帰るかー…」
机の上の筆箱なんかをスクバにぽいぽい放り込んでいると、コンコンと部室のドアがノックされた。
「どーぞー」
伊佐敷「よう…」
「あ、純さん。お疲れ様です」
伊佐敷「お疲れ」
既にTシャツに着替えた純さんが入ってきて、私の手首をぐいっと掴むと、端っこのソファの上に「杉本、来いよ」と言いながらすわる。
私はされるがままでそれについて、そのソファの上に座ると「おら、うつ伏せ」と私をうつ伏せに寝かせた。
めくれかかったスカートを直しながら「なにを…」と言いかけていると純さんが私の足あたりにまたがって、腰に何か温かいものを乗せてマッサージを始めた。
「………」
伊佐敷「いつもやってもらってるからよ…たまにはな」
「…………」
力加減のわからないらしい純さんは、慣れない手つきで私の腰を揉む。腰に乗っかったゆたんぽがあったかくて気持ちいい。
今日一日みんなが優しくて、うつぶせになりながら感傷に浸っていると「…泣いてんのか？」とバカにした感じで聞いてきた。
「な、泣いてませんよ！！！」
伊佐敷「どーだか、目、赤いぞ」
「赤くないです！！純さん！もうちょっと下を強く押してください！！」
伊佐敷「調子乗って指図すんなコラァ！！」
「人が下手に出たら調子乗りやがって」とブツブツ言いながらも注文通りにマッサージをしてくれる純さんは優しい。
「あー…極楽ー」と浸っていると「ちょっとは楽になったか、ばあさん」と言われた。
「待って！ピッチピチの10代なんですけど！現役JK！」
☆
☆
優しさが身に染みる
☆
川上「Aーそろそろ…」
「あ、純さん、彼氏待たせてるんで失礼しまーす」
川上「誰が彼氏だよ…」
伊佐敷「襲われねえように気をつけろよ、ノリ」
「待って！それ私へ言うべき言葉ですけど！！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1568人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
