379.↓身から出た錆!? ページ38
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沢村「A先輩!!俺と付き合ってください!!」
「…………ハイ?」
昼休みに沢村に渡り廊下に呼び出されていってみれば、真剣な顔をした沢村が私に向かって大声で告白をしているというこの状況。
真顔で聞き返す私に「本気っす!」と大きく頷く沢村。
「………え?」
沢村「俺の彼女になってください!」
「………ちょっと落ち着こうか」
沢村「俺は落ち着いてます!」
「いや、落ち着いてないよ」
だって、若菜ちゃんは?春乃ちゃんは?
沢村と私なんて万が一、億が一にでもない。1番ない。
見つめ返す私に沢村は至って真面目な顔で困り果てて小さく頭をかく。
「どうしたの、いきなり」
沢村「いきなりじゃないです。ずっと好きでした」
「………ずっとっていつから?」
沢村「俺がA先輩にドリンクを渡されたあの時から!」
「いやどの時だよ、数え切れないよそんなの」
冷静に突っ込むけど、沢村は相も変わらず真面目な表情。
困り果てて「えーっと」と目をそらすと、沢村がほんのり赤い顔でぎゅっと私の手を両手で握る。
「ちょちょちょちょい沢村!?」
沢村「俺じゃだめっすか?」
「ダメとかじゃなくて…」
沢村「やっぱり、ノリ先輩や倉持先輩、御幸一也じゃなきゃ先輩には…」
「…いや、彼らは関係ないけど…。
沢村知ってるでしょ?私の性格。『顔だけマネ』と称される女だよ?彼女にしても何の特典も……」
慌てて手を離そうとするけど、沢村は「知ってます」とうなずいて離そうとしない。
離さないどころか、今度はがばっと抱きついてきた。
「ちょ、沢村!?沢村!?」
沢村「A先輩…すげぇ好きです!!」
「ごめ、ごめんなさい…!私には心に決めた人が!!」
まとわりついてくる沢村に必死に言い訳して逃げようとしていると、抱きしめていた手がふいに私の脇腹に伸びて、こしょこしょとくすぐりはじめた。
「……あは…あ、ちょ!沢村!やめ!」
沢村「あははは!A先輩本気にしましたー?」
「……」
楽しそうに響いた気の抜けた声に、ピタッと止まる私。
沢村の方を見ると、楽しそうに「なははー!」と笑っている。
「なにこれ」
沢村「ドッキリです」
☆
☆
やられた
☆
沢村「俺の演技も捨てたもんじゃないっすねー!」
「……やられた…沢村ごときに…」
沢村「ごとき!?ごときってなんすか!?」
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