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歓声 ページ25

「「きゃあああああああ!!!!!!!」」

ドアが開いた瞬間鼓膜が破れそうな程の歓声が広がる。

目の前には謎の赤いカーペット、そしてたくさんのカメラ、そして女性がほとんどなファンの皆。

前に足を踏み出し、

「皆!こんにちは!」

歓声に負けないほどの声をがんばって出す。

「「きゃあああああああ!!!!!!!奏斗様あああああ!」」

様!?

いろんな所に心の中でツッコみつつ、押し寄せてくる取材やファンに笑顔で対応する。

これは中々進みそうにないな、だって30分たったのにまだ出てきたドアが見える。

でもなぜだろう。

疲れているはずなのに、

ファンの笑顔を見ると、この大きな歓声を聞くと、

疲れが吹っ飛ぶんだ。

楽しいんだ。この瞬間が。









一時間たっても一向に出口は見えない。

その中でも頑張ってファンサービスをしていたのだが、

(・・・え。)

一瞬。ほんの一瞬。

桃色の頭が見えた。

九条「奏斗?」

「え?あ、すいません。」

気づいたらその方向をずっと眺めていた。

目の前の観客は黄色い声をずっと上げていたが、桃色の頭が見えることはなかった。

(そんなことないよね。)

もしかしたら恨まれてるのかもしれない。

あの別れ際のシーンがフラッシュバックする。

彼らがそんな人じゃないのは分かってる。

でも、なんでだろう、怖い。

ブンブンと頭を振り、私は再び歩き出した。



〜桃井サイド〜

Aちゃんがいなくなってもう2年近くたった。

次の日の朝練にAちゃんの姿はなくて、HRでアメリカに行った事を知った。

その日の部活は皆力が入ってなかった。

もちろん私も。

なんで勝手に行っちゃったの?

でも気づいた。

あの時泣いていたのは、最後の日に泣いていたのは、私たちとお別れするからだったんだよね。

ごめんね。ごめんねAちゃん。私たちはずっと、Aちゃんの帰りを待ってる。

今は皆進学し、別々の高校にいる。

皆変わっちゃった。Aちゃんが知ったらどんな顔するのかな。

それと、一つ気になってることがある。

Aちゃん。あの時迎えに来ていた男の人、本当にお父さんなの?

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manaekaki(プロフ) - Rinさん» 見てみたらそうでしたね!直しておきます!ご指摘ありがとうございました! (2016年9月10日 22時) (レス) id: 7bb55a48ed (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - 龍之介の一人称は「僕」ではなく「俺」ではないですか? (2016年9月10日 20時) (レス) id: 42ba435213 (このIDを非表示/違反報告)
manaekaki(プロフ) - 二次元LOVEさん» コメありがとうございます!面白いと言って頂けてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2016年8月27日 11時) (レス) id: 02c8dea248 (このIDを非表示/違反報告)
二次元LOVE - とっても面白いですね!これからも、更新頑張ってください!応援しています! (2016年8月27日 10時) (レス) id: 39c33adda0 (このIDを非表示/違反報告)
manaekaki(プロフ) - 胡蝶さん» なんどもコメしてくれてありがとうございます!天にぃ気に入ってくれて良かったです!これからも更新がんばります! (2016年8月25日 23時) (レス) id: 7bb55a48ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:manaekaki | 作成日時:2016年8月22日 11時

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