アメリカ物語79 ページ33
{赤司side}
重い身体で立ち上がり、あの錆びた扉へと歩み寄る。この空間のせいなのか、フラフラとする足取りでなんとか辿り着いた俺はその扉を見つめた。
赤司「っ・・・」
思わず息を飲んでしまった。
何故だか・・・
この扉を隔てたすぐ目の前に、
もう1人の自分が立っていそうな気がして・・・。
あの禍々しい瞳で同じく扉を見つめているのだろうか。
蛇に睨まれたような感覚に陥っていく。
いや、でも・・・
俺が・・・
もう一度、奴から身体を返してもらうことによって、ボロボロになった彼らの関係を修復するために動かなければならない。さもなくば、彼らは・・・取り返しのつかないことになってしまう。
赤司(?)『だがお前のことではないだろう?』
赤司「!?」
脳内に響き渡る声・・・
恐れていた声が、俺に問いかけてくる。
赤司(?)『彼らが破滅に向かおうがお前には関係のないこと。それなのに何故彼らを助けようとする?』
赤司「何故って・・・仲間に決まっているからだrッ・・・」
赤司(?)『いいや、それは"主将としての責務"だとお前は思っているはずだ。』
赤司「!」
赤司(?)『だがお前は一度失敗している。今更戻ったところで彼らの関係を元に戻すことは不可能だろう。クスッ・・・お前は、"白咲さん"のように彼らをまとめあげることもできず、挙句の果てには自分の存在意義を失った。お前にはなにが残っているんだ?』
赤司「っ・・・俺は・・・!」
.
.
.
.
.
貴方「赤司。」
赤司「!」
奴の言葉にカッとなっていたせいか・・・俺は扉の取っ手を回して開けようとしていたのだ。それを静止させたのが白咲さんだった。白咲さんは静かに首を振る。この扉を開けてはいけないと言っているかのように。
平常心を取り戻してきた時、首筋を汗が伝っていく感覚があった。俺は・・・自分が思っている以上にあの声が嫌らしい。
貴方「どうやら・・・俺が思っている以上にお前の精神状態は良くないな。"幻聴"まで聞こえてるみたいだし。」
赤司「えっ・・・幻聴・・・?」
貴方「1人で話してたぞ?」
赤司「っ・・・いや・・・でも・・・扉の前の奴が俺に・・・」
貴方「・・・」
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だお(プロフ) - 明待霧夜さん» 7年・・・!!数字にすると思ってたより長くて驚きました(泣)!長期間更新停止していたのにも関わらずに読んだくださってとても嬉しいです!またちょくちょく更新頑張りますね・・・! (2022年11月9日 22時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
明待霧夜(プロフ) - だおさんお帰りなさい! キセキ物語の終盤から連載を追い始め、かれこれ7年以上白咲ちゃんの物語を追っていることに気づきました…! これからも応援させてください…! (2022年11月8日 6時) (レス) @page23 id: 31d5edc1c2 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます・・・!!戻ってきて初めてのコメントだったので感極まりました( ; ; )読んでくださってありがとうございます! (2022年10月26日 17時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - うぁぁぁ!!かっこよすぎますっ!!好き!!*°♡ (2022年10月26日 14時) (レス) @page21 id: 1bbfe76602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だお | 作成日時:2022年9月28日 23時