放物線軌道~アネモネの花~ (ページ6)

今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:3,225 hit

気まずさページ6

いきなり澤村さんに抱きしめられた。
とはいえ、危なかったのを
助けてくれただけであって別に深い意味は無い。
とっさに逃げてきてしまったが、
澤村さんは変に思わなかっただろうか。

ぐるぐると頭の中で色々なことを思う。

｢あ～、だめだ。どうしよう。｣
その場にしゃがみこみ、頭を抱える。

赤葦｢A？｣
聞き覚えのある声がした。
振り返ると京治は倉庫の入口に立っていた。

｢あ…京治…｣
赤葦｢どうしたの、そんな所にうずくまって。
もしかして、体調悪い…？｣
すぐに駆け寄ってきて
しゃがみ込んで話してくれる。

｢ううん、ちょっと考え事してて…｣
赤葦｢どうしたの、｣
｢実はさっき…｣
京治に全て話した。
多分正解はないんだろうけど、
彼に正解を聞きたかった。

赤葦｢そんなことがあったんだね。
怪我はしてない？｣
｢うん、大丈夫。｣
赤葦｢よかった、澤村さんには俺からもお礼言っておくよ。｣
｢ごめん、なんか気まずくて｣
赤葦｢気にしなくていいと思うよ、反射だし。｣
｢そうだよね、うん。｣
京治に言われて再び自分に言い聞かせる。

赤葦｢顔合わせるのあれだったら休んでていいよ。
俺らで片付けとくから。｣
｢大丈夫大丈夫、手伝います。｣
赤葦｢そう？無理しないでね、｣
｢あ、ありがとう、｣

私の言葉が聞こえるか聞こえないかの
タイミングで京治は行ってしまった。

寝たら忘れるよね。
そう思って片付けを手伝った。