雨天決行の行事の時ほとんど雨 ページ1
食事を済ませ、お風呂の時間になったので
一旦解散して、お風呂に入ることにした。
清水｢マネの仕事慣れた？｣
｢はい、でもまだ頼りないと思います…｣
清水｢先輩2人居るし、わかんなかったらすぐ聞くといいよ。｣
｢はい。…あの、潔子先輩、｣
勢いよく潔子先輩の方に向いたので
ちゃぷん、とお湯が波打った。
清水｢うん？｣
その波を見つめた後、潔子先輩は私を見た。
｢か、彼氏とかって居ないんですか｣
清水｢うん、いないよ。｣
｢いた事は…｣
清水｢中学の時に1人。優しくて、いい人だったんだけど、その優しさが怖くなっちゃって逃げ出した。｣
｢優しいのが、怖かった…？｣
清水｢うーん、なんて言えばいいんだろう。
優しいのは度を越すと逆に相手に不快感を与えちゃうの。あれ、なんでこんなことするんだろう？って。｣
｢優しすぎた、って事ですか？｣
清水｢うん、それに近いかな。
赤葦くんは優しいよね、｣
｢私には…勿体ないです。｣
潔子先輩は、きっと京治の事をいい人だと
言いたかったんだと思う。
清水｢なんで？｣
真っ直ぐな目で見つめられ、思わず俯く。
｢私は、京治に何もしてあげられないんです。｣
胸が痛む。
清水｢それは違うと思うな。
赤葦くん、澤村とAちゃんの話してた時、
嬉しそうに、大切そうに話してたもん。｣
顔が思い浮かぶ。
普段、真顔の彼が最近表情が豊かになったと
なんとなく思い始めていた。
｢…よかった、｣
この話が聞けなかったら私、
また振り出しに戻ってた。
清水｢大丈夫よ、自分が分かってるつもりでも
人に言われないと気づかないこともあるわ。｣
｢ありがとうございます。｣
そう言って私は浴場を出て、急いで着替えた。
早く彼に会いたいと思った。
廊下に飛び出すと、黒尾さんが広場のソファーに
座っているのが見えた。
｢黒尾さん、｣
黒尾｢お、Aちゃんじゃん。偶然だねえ。｣
｢あの、京治どこにいるか知ってます？｣
黒尾｢あー、ロードワーク行ってくるって言ってた。チビちゃんと。｣
黒尾さんは嘘をつく時横を見る、と京治が
前に言っていたのを思い出す。
黒尾さんの隣に座り、じっと見つめる。
黒尾｢どうしたの、｣
｢私、黒尾さんは信用出来ると思ってました。｣
黒尾｢え、どういうこと？｣
｢嘘つきましたよね。｣
黒尾｢ついてないよ、｣
｢黒尾さん嘘つく時、横見るんですよ｣
黒尾｢えっ、｣
気づいてなかったみたい。
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作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
