結局なんでもタイミング ページ32
起きたらふたりが揉めてた。
理由を聞くと、
合宿と春高の話で揉めてたらしい。
蛍くんがなにか言おうとしてたけど、
すぐに引き下がったので特に問題は無いと思う。
｢喧嘩するの見たくない…仲良くして。｣
赤葦｢…ごめん。｣
月島｢わかった、｣
｢京治ご飯食べた？｣
赤葦｢ううん、まだ。姉ちゃん寝かせてきたから。｣
｢桜結さんどうかしたの？｣
赤葦｢飲みすぎて脱衣所で潰れてたから｣
｢そっか、大丈夫かな…｣
心配になったようで、
様子を見に行こうと思って立ち上がると
蛍くんも立ち上がった。
月島｢様子見てきます。A、赤葦さんにご飯出してあげて。｣
｢あ、うん。わかった。｣
キッチンに向かってハンバーグを温め直す。
赤葦｢あのさ、｣
｢ん？｣
赤葦｢Aは卒業までマネでいてくれるの？｣
｢そのつもりだけど…どうかしたの？｣
赤葦｢いや、短期間とかだったら
どうしようとか思っちゃってさ。｣
｢最後まで京治のプレー見たいって思って。｣
赤葦｢じゃあ引退まで頑張らないとね。｣
｢一緒に頑張ろうね。｣
赤葦｢…うん｣
京治は俯いた。
｢どうしたの｣
赤葦｢いや…うん…｣
｢気になる、｣
赤葦｢高校卒業したら俺、留学する｣
留学の言葉を聞いた途端に
私の頭は考えることを辞めてしまった。
｢留学…なんでいきなり、｣
赤葦｢いや、元々考えてたんだけど、
言い出せなかった…ごめん。｣
｢いつ戻ってくるの？｣
赤葦｢高校卒業してから行って、１年後かな。｣
1年なら待てる。
｢じゃあ、待ってる｣
赤葦｢1年で戻るから、どこにも行かないでね。｣
それは彼なりの束縛なのだろうか。
｢行くわけないでしょ、笑｣
十分に温まったハンバーグを盛り付けて
彼の前に出すと、少し嬉しそうにした。
赤葦｢わ、ハンバーグだ。｣
｢私と同じこと言ってる、笑｣
赤葦｢色々と似てきたね。｣
彼はまた嬉しそうに笑った。
赤葦｢いただきます。｣
｢はーいどうぞ。｣
蛍くんの代わりに返事をすると
京治は黙々と食べ始めた。
｢蛍くん料理上手なんだね、全然知らなかった。｣
向かい側に座って少し身を乗り出した体制で
私が話しかけると、ちらりと私を見た。
赤葦｢合宿とかで結構料理担当してるよ｣
｢へえ…今度料理習おうかな…｣
赤葦｢わかりやすくていいと思うよ？｣
｢教わったの？｣
赤葦｢料理担当被った時に少しだけね。｣
｢教えてくれるかなあ、｣
赤葦｢教えてくれるよ、大丈夫。｣
そう言いながらよく食べる彼が微笑ましい。
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作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
