かくしごと ページ31
桜結「京くん大きくなったねえ」
階段を上っている途中で姉ちゃんがそう言った。
赤葦「もう高校2年だからね、」
桜結「そっかぁ〜、」
赤葦「何嬉しそうにしてんの」
桜結「泣き虫京くんがたくましくなって嬉しいの」
赤葦「それ、いつの話だよ、」
桜結「中学生までは泣き虫だったよ?」
赤葦「否定はしない」
部屋の電気を付けて、ベッドに寝かせる。
布団をかけて、行こうとすると腕を掴まれた。
桜結「京治」
赤葦「何?」
桜結「Aちゃんなら受け止めてくれる、大丈夫。」
赤葦「…分かってる、」
でも話すのが怖いんだ。
桜結「好きならちゃんと話して。
Aちゃんのこと不安にさせないで。」
赤葦「俺の方が不安だよ」
部屋を出て扉を閉めると
月島が水を持って立っていた。
月島「あ、水…持ってきました。」
赤葦「ありがとう。机に置いといてもらえる?」
俺はその場から逃げるようにリビングに向かった。
すやすやと眠るAの傍に座り、
そっと頭を撫でる。
赤葦「…やっぱ幸せでいてほしいな。」
付き合い始めた時からずっと思ってた。
Aは幸せでいてほしい。
月島「それは赤葦さんの仕事ですよ」
月島は水を置いて戻ってきたようで、
席に座った。
赤葦「俺まだAと一緒にいていいのかな」
月島「どういう事ですか?」
月島は少し顔をしかめた。
赤葦「実は留学しようと思って。」
月島「それ、Aには言ったんですか?」
赤葦「言えてない。
1回資料見つかった時があって
その時咄嗟に嘘ついた。」
月島「Aは、赤葦さんと向き合ったのに、
赤葦さんは逃げるんですか?」
赤葦「ちゃんと言うよ、その時が来たら。」
月島「その時っていつ来るんですか」
赤葦「それはまだ分からないけどでも、」
月島「今、向き合わなかったら
Aが居なくなるかもしれない、
ああ、あの時言えばよかった、って
後悔するかもしれないんですよ。」
赤葦「春高、終わったら…言うよ」
月島「それまで、Aには嘘をつくんですか」
赤葦「知らなければ幸せだと思うんだ」
月島「Aの幸せなんかじゃないですそんなの」
月島は悲しく、苦しそうに言った。
赤葦「わかってる、でも」
A「どうしたの、」
声の方を見ると、Aが目覚めていた。
月島「赤葦さんが、」
赤葦「合宿の話。それから、春高の話してた。」
月島が咄嗟に言おうとしたことを遮る。
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時