同期のアイツ【his view】6 ページ6
やっぱりまだ熱があるのかもと、自身の手をそれとなく額に当てれば熱なんかとっくに下がってた。
「……いま、何て？」
結局絞り出したそんな声は自分でもアホらしくなるほど小さかったけど、振り返ったAは腰に手を当て首を傾げた。
「ん？だから、欲求不満解消なら付き合ってやってもいいよって。顔だけはいいからねーカカシは。」
「顔だけって……A、もっと自分大事にしなよ。」
「何言ってるの？私、上忍だよ？いつまでも生娘じゃ……ないっての。」
まあ、担当上忍師になれたのは良かったよねー！色任務無いもん！と空笑いをしたAに返す言葉は見つからない。
そうだった
Aは、上忍
容姿の整ってるAがそういう任務に出た事があるぐらい、ちょっと考えれば分かるのに―
「里の中でまで……無理して笑うな。」
「え？」
「だーから、その笑顔……キモい。」
「はあ！？」
「あのさ……そういう事は任務でするのと、里の仲間とするのじゃ、意味合い全然違うでしょ？それとも俺はAが任務で寝た奴等と変わらない存在なの？」
「……ご、ごめん。」
少し怒気が籠ってしまったことに自分で気が付いた時は、Aは申し訳なさそうな顔を見せていた。
違う
違うよA
そんな風に謝って欲しいんじゃない
悲しい顔をさせたいんじゃない
ただ俺は……Aを……
あぁ、そうだ
同期の仲間としてちゃんと大事に想ってるから
なんて考えた時の違和感の正体には気付かないフリをする。
ただ１つだけ絶対に釘を刺しとかなきゃいけないことがある。
「A……頼むからそう言う事、俺にも……里の仲間にもう絶対言わないで。」
そう……誰にも言ってなんか欲しくない。
これだけは譲れない。
「分かった。ごめんなさい！って……何で私がカカシに謝るの！？あんたさっき、私にキスしたくせに！」
「あれは……」
「何よ！？」
「雑炊のお礼？」
「そっか、カカシ……モテすぎて馬鹿になったのね……可哀想に。」
ですよね……俺も自分で何言ってるかよく分かんない。
憐れんだ顔をするAに対して他に言い訳も考え付かなくて黙ってれば、Aはもういいやと溜め息を吐いて手早く片付けを済ませ、そそくさと帰っていった。
熱はもう下がった筈なのに触れた唇とAの体温を思い出せば少しだけ熱が振り返した気がした。
同期のアイツ【her view】1→←同期のアイツ【his view】5
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 346人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです！亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (
レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです！応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません＾＾；とても励みになりました！続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テン | 作成日時：2021年2月6日 22時
