同期のアイツ【his view】2 ページ2
「本当……嫌い。」
「……なっ!?何なの?顔見るたびにそうやって喧嘩売るの止めてくれる!?」
待機所でバッタリ出くわしてしまったAに怪訝な顔を向けて呟やけば、彼女はいつも通りオビトの様に怒りで頬を紅潮させ食って掛かってくる。
「あーーウザイ。消えてくれない?」
「あのね、貴方が後から来たんでしょ!?そっちが出ていきなさいよ、はたけカカシ!!」
「うわー……名前呼ばないでちょうだいよ気持ち悪いな。」
それにちょっと近いよ……全く……距離感可笑しいでしょーよと思いつつ、それ以上距離が縮まらないように胸の前で小さく両手で壁を作ってみる。
「よーし、今すぐ表に出なさいバカカシ!!」
そんな俺を見て、わなわな拳を震わせる姿までもがオビトの残像と重なって、酷く腹が立つ。
が、不意に何かに気付いたAが折角作った距離感を無視して俺の頬に手を伸ばしてそっと触れた。
「ちょっとカカシ、あんた……熱あるでしょ?」
「だったら何。」
ぶっきらぼうな言い方になってしまうのはしょうがない。
だって急にそんな……リンみたいな気遣いされたらこっちは対応に悩むじゃないの。
「何って……あんたバカじゃないの?忍は身体が資本なの!今日の任務何っ!?見せて。」
「……嫌だね。」
「みーせーなーさーい!!」
そーんなに凄まなくてもいいのに……
黙ってさえいれば結構可愛い顔してんのに、クシナさん顔負けの押しの強さに負けて、さっき受付所で貰ったばかりの任務依頼書を手渡すと、一通り目を通してAが笑った。
「ん!これなら七班の子達と一緒に私の班でもやれる。カカシ、帰って寝なさい。あとは私に任せて。」
今度はミナト先生ですか
遠縁とは言え親戚だからか、眩しい金色の髪に碧眼なんて見た目までもがミナト先生にどこか似てる。
Aは相変わらず土足でズカズカ俺の心を荒らしていく。
……そんな風に俺の心の中に居る人達を引っ張り出さないで欲しいのに
でもそんな風に想ってるのは俺だけで、目の前にいるAはただ
お節介で誰にでも分け隔てなく優しくて
強い意思と責任感を持った
ただの
俺の同期―
「A。」
「何よ。」
「……馬鹿。」
「そこはありがとうでしょ?ったく。アカデミーからやり直して、正しい言葉を覚えてきなさいよ。」
呆れたように笑って、Aは俺の肩を拳で軽く小突いて横を通りすぎて行った。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時