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第四章[朧月夜は突然に] ページ13

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 三大魔法学校対抗試合が始まるという発表にホグワーツ中が浮き立っているときだった。ーマルフォイとAが話さなくなった。その違和感に周りは嫌というほど気がついたようで、スリザリン生だけでなく、他寮の同級生までもがこぞって彼らの噂をした。昨年までの三年間、彼らの距離感は、友達にしては近すぎるくらいだったのにー。


 「もともとそんなに仲良くないわよ?」


久しぶりにグリフィンドールとスリザリンが合同となった授業中、ハーマイオニーが我慢できなくなってそのことを話題に持ち出すと、Aはさも可笑しそうに笑った。


「でも、少なくとも貴女たちは友達だったでしょう?」

「考えてもみて、ハーマイオニー。私と彼は血統が違うのよ」


丁度そこで授業が終わった為か、はたまたこの話題には触れたくない為か、彼女は荷物をさっさと纏めると「それじゃ、またね」と教室を出て行ってしまった。彼女の後をパーキンソンとブルストロードが慌てて追いかける。ハーマイオニーは余計な質問をした自分に腹を立て、その日一日、ロンは理不尽な八つ当たりを散々受ける羽目になった。


 Aはマルフォイが自分を遠ざけている理由が痛いほど分かっていた。クィディッチワールドカップでの死喰い人の行進に、誰が居合わせていたのか想像するのは容易い。ヴォルデモート卿、或いは配下の脅威が迫っている以上、マグル生まれの彼女と死喰い人の子供である彼の間の溝が深まるのは必然だった。


 全く、想像すれば分かることじゃない。


Aは心の中で若干苛立たしげに呟いた。マルフォイと私の関係がいずれ崩れてしまうことくらい、ちょっと頭を働かせれば予測できたのじゃないかしら。


 それに、彼も彼よ…


Aは談話室でぼんやりマルフォイーパンジー・パーキンソンがベタベタしているーを眺めながら唇を噛み締めた。暗黙の了解のように話さなくなるなんて、勘弁して欲しかった。せめて話し合いをするとか(自分からそんなことを提案する勇気は無かったのだが)、いっそのこと…


「…この、穢れた血め」


自分自身に言ったところでどうにもならないこの言葉。いっそのこと、ドラコが私をこんな風な言葉で思い切り貶して、突き放してくれたらいいのに。その方がどんなに納得できることか。


 それなのにーそうやってこちらに視線を泳がせて、時折寂しそうな色を見せるのはやめて欲しい。羊皮紙におやすみと書いて、私の教科書の下に挟み込まないでー。



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- 最近この小説を知って面白くて読んでます!貴方様の小説すごく面白いのでゆっくり待っています!頑張ってください! (2021年2月20日 21時) (レス) id: e6d54d0e11 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく面白いです!!!たのしみです (2021年1月13日 1時) (レス) id: 50dc2b53cf (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - ピンクジョイさん» ありがとうございます(T_T)励みになります...!もう少々お待ちください...( (2020年12月29日 7時) (レス) id: 9863b06866 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクジョイ(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです!更新遅くてもいいので続き楽しみにしてます^^* (2020年12月11日 16時) (レス) id: eb4e569138 (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - tokitaさん» ありがとうございます(T_T)最近忙しくて思うように更新出来ていないのですが必ず続き出します、、、!!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 1aa1f35963 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨雪 | 作成日時:2020年8月29日 10時

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