第一章［白昼夢で］ ページ2
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A・ヘアフォードは、独り身にしては広すぎる自宅の、やや大きすぎるソファーに疲弊したように倒れ込むと、そのまま目を瞑ってしまった。彼女の首元に光る蛇の紋章入りのネックレスが、彼女の呼吸に合わせてゆっくりと上下している。
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カタンカタン、と柔らかな音が聞こえてきた。11歳のA・ヘアフォードは長い黒髪をときながら、静かに汽車の中に座っている。
「ここ、空いてるか？」
間も無くして、彼女のもとに3人の少年たちが入ってきた。彼女は髪をとかす手を止めると、優しく微笑んだ。承諾の合図である。
「すまない。他にどこも空いてなくて…君も1年生だろう？」
「構わないわ。…あなた方も1年生なのね、よろしくお願いします」
気取った話し方をするプラチナブロンドの髪色をした少年に、Aは軽く手を差し出そうとしたが思い留まったーまだ名前を聞いていない。
「ねえ、失礼だけど、あなた方のお名前は？」
「え？ああ、僕はドラコ・マルフォイだ。こいつらはクラッブとゴイルで…」
少年は口を噤んだ。彼女がペットの白猫を抱えながら立ち上がってしまったからだった。
「…どうしたんだ？」
「ええと…その、私は貴方たちと一緒に城に向かうべき人間ではなかったわ。悪いけど、荷物だけは此処に置かせてね。」
彼女は一方的にそう伝えるとコンパートメントから出て行ってしまった。訳の分からない3人はその場に呆けたように座り続けている。
「…あっちだって名前くらい、言ってくれても良かったと思わないか」
なんて無礼な奴だったんだと、マルフォイが手下の2人に訴えかけていると、まるでその声を聞いていたかのように彼女が帰ってきた。
「ごめんなさい、すっかり申し遅れていたわ。…私の名前なんて、全く価値がないのだけどね。…A・ヘアフォードよ」
そして彼女はまた伝えるだけ伝えると、コンパートメントを後にし、二度と戻ってくることはなかった。
その一角の中で彼女の言葉の意味を理解できたのはマルフォイだけだった。
そうか、彼女は純血じゃないんだな…そして恐らく、マグル生まれの穢れた血だー。
「A…」
「ヘアフォード…」
クラッブとゴイルの方はというと、彼女の生まれに気づかないどころか、すっかり彼女の美しさの虜になっていたー同年代にしては、マグル生まれにしては、Aは些か美しすぎる。
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悠 - 最近この小説を知って面白くて読んでます！貴方様の小説すごく面白いのでゆっくり待っています！頑張ってください！ (2021年2月20日 21時) (
レス) id: e6d54d0e11 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - すごく面白いです!！！たのしみです (2021年1月13日 1時) (レス) id: 50dc2b53cf (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - ピンクジョイさん» ありがとうございます(T_T)励みになります...！もう少々お待ちください...( (2020年12月29日 7時) (レス) id: 9863b06866 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクジョイ(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです！更新遅くてもいいので続き楽しみにしてます^^* (2020年12月11日 16時) (レス) id: eb4e569138 (このIDを非表示/違反報告)
梨雪(プロフ) - tokitaさん» ありがとうございます(T_T)最近忙しくて思うように更新出来ていないのですが必ず続き出します、、、！！！ (2020年11月28日 18時) (レス) id: 1aa1f35963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨雪 | 作成日時：2020年8月29日 10時
