三話 ページ4
「さっきからお前らうるせぇアル。こちとら小遣いが尽きてイライラしてるネ」
「…すまねぇな。…おい、総悟。だめだ完全に伸びてやがる」
藍澤はごしごしと目を擦ってチャイナにお礼を言った。
「ありがとう…!」
「私のことは姉御と呼ぶヨロシ。A!」
いいの?と何故か嬉しそうにしている藍澤を見て安心した。女の友達が出来ねぇと言っていたから。
「…土方くんも…!ありがとう」
「…俺は大したことしてねぇ。それにお前も泣くの我慢してたじゃねぇか。すげぇと思うぜ」
ぽん、と藍澤の頭に手を置くと藍澤は顔を真っ赤にした。
「…どうした?」
「…えっと、その、土方くんって誰にでもこういうことするの?なんか、イケメンって行動も生まれ持ってイケメンなのかなぁって」
「……はぁ!?」
言われて見て初めて気付いた。確かに少し距離が近過ぎたかもしれない。これじゃあただの女好きだと藍澤に思われている可能性がある。
「…ち、げぇよ。藍澤だからだ」
「…お前凄いアルな。こんな教室のど真ん中で告白かヨ」
「なっ、そういう意味じゃねえ!ただコイツが泣いてたから!…いや、そうじゃねぇ、なんつーか…その」
「…っ、あはははっ!土方くんがそんなに焦ってるの、なんか可愛い」
「…っ」
藍澤の満面の笑みに思わず見惚れていると、チャイナからの冷ややかな視線で我に返った。やべぇ、なんかおかしいぞ俺。
「…藍澤、俺ァそろそろ部活だから」
「!土方くんはなんの部活やってるの?」
「…剣道部」
ぱっ、と目をきらきらさせた藍澤は、かっこいい!と笑った。
「土方くん、強そう」
「…剣道部で一番強えのは総悟だよ。俺はこいつには敵わねえ」
「…沖田くんも、剣道部?」
頷くと藍澤はそっか、と残念そうに笑った。
「土方くんが剣道やってるの見たかったなぁ。でも私が行ったら沖田くん不機嫌になっちゃうし…残念」
「…試合なら、アイツも絡んで来ることねぇと思うから。試合、見に来てくれ」
「…!うん、絶対見に行くね!」
嬉しそうに笑う藍澤を見て俺もなんだか嬉しくなった。確かに藍澤はなんだか構いたくなる雰囲気の女だ。
そしてもうなんとなく総悟が藍澤に絡んでくる理由も分かって、沖田と藍澤、その両方に同情した。
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光華(プロフ) - お疲れごはん、リアルタイムで楽しく読ませていただいてます!こちらも面白いです!私は完全に土方さん推しなので、土方さんに落ちないかな((殴 どちらも更新楽しみにしてます! (2020年6月6日 22時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マピト | 作成日時:2019年12月6日 22時