第2話:え、どこ?! ページ3
*
ドンッッッ!!!
『いっった…!?』
大きな衝撃により、目を覚ました。
ひりひりと痛むお尻を押さえながら立ち上がると、そこは見知らぬ場所。
着物を着た知らない人達が行き交っていた。
『あれ…?私ってどこから来たっけ?』
「ねえ」
道のど真ん中で立ち竦(すく)んでいると、後ろから優しい声色で話しかけられる。
振り返り見ると、優しげな顔のお婆さんが立っていた。
「あなた、大丈夫?今何処から現れたの…?いや、それよりも顔色が悪いわね。何かあったの?」
誰だろう、このお婆さん。
そして何処だろうここは。…待てよ。
『…………どうしよう。私、何も思い出せない。』
どこから来たのか、何をしていたのか、今どこに居るのか。何もかもが思い出せない。
こんなこと有り得ない。どうして…?
「……まあまあ、大変。何も思い出せないなんて。」
頭が真っ白だ。
私、これからどうなるの…?
「…その様子じゃ、嘘ではなさそうね。ここに残して行くのも気が乗らないし、あなた…私の所に来る?今丁度、あなたくらいの年頃の子を探していたのよ。」
ふふ、と微笑むお婆さん。
優しい雰囲気に心も落ち着いてくる。
何処に行けばいいのかも分からないし、何も考えずそれは有難いと二つ返事で了承した。
「それはそうと、あなた。名前は分からないの?」
どうせ名前も…と思っていたのだが、苗字は思い出せないものの自分のAという名前だけは思い出せた。
『私の、名前…はAです。………思い出せました。』
名前を思い出せて、心が少し軽くなる。
「あら、可愛らしい名前ね。これからよろしくね。私の名前は原田霧子(はらだきりこ)よ。霧子でいいからね、Aちゃん。」
『は、はい!!霧子さん!不束者(ふつつかもの)ですが、これからよろしくお願いします!』
と、ハキハキ元気に返すと、霧子さんは
「あらあら、元気ね」
と微笑んだ。
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そこら辺の水道水(プロフ) - ごめん読み返しすぎてそろそろ次度のセリフ言うかなぁ〜なんとなく覚えつつある水道水だよ() (2021年3月4日 10時) (レス) id: d5e7447fc4 (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - 颯さん» 失礼致しました。訂正致します。ご指摘有難うございます。 (2020年3月15日 20時) (レス) id: df3b10c5cc (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 初コメ失礼します。最終選抜ではなく最終選別です。 (2020年3月15日 20時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
りぃな(プロフ) - 心さん» この度は小説を読んで下さり有難うございます!そしてコメントも有難うございます!初めてのコメントで心が踊りました。面白いと言って頂けた事が物凄く嬉しいです!!モチベがぐんぐん上がるので更新の方頑張りたいと思います!!(*^▽^*) (2020年3月8日 0時) (レス) id: df3b10c5cc (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2020年3月7日 20時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃな | 作成日時:2020年2月25日 3時