またね ページ32
あの事件から数ヶ月後、Aが目覚めた。
それからのあの二人はとても幸せそうだった。
両思いだったから。
だけど、すぐに渋谷で事件が起きてしまった。
それからだ。
またAの心が壊れ始めたのは。
五条と二人で行動していたはずだった。
あの二人なら、この混乱を止められると誰もが思ったはず。
しかし五条は封印され、Aは駅で暴れ回って倒れていた。
原因は、夏油が現れたからだという。
正確に言えば、夏油の体を使ったは別の人間が。
そいつによって、Aの心はどれほど傷つけられだろうか。
最愛の兄のﾀﾋ体は弄ばれている。
そして、恋人も封印された。
そんなの、耐えられるはずがない。
あまりにもAが可哀想だ。
五条が封印されてからのAの行動は分からない。
だけど高専にいると、楽巌寺学長から連絡があった。
"Aの身柄を拘束するから来い"と。
現地に着くと、Aが血だらけで倒れていた。
慌てて駆け寄ると、傷は無かったようで安心した。
しばらくするとAが目覚めた。
学長と話をしてから、プレゼントを買いに行くことになった。
多分、五条にだと思う。
自分はもう、ﾀﾋ刑の身だから五条とは二度と会えない。
だからせめて何か残そうとしているんだろう。
街で店を探していると、Aが選んだのは怪しげな雰囲気の店。
そこには以外にも良い感じの品物が並んでいた。
そこで目に止まったのは、五条とAのイメージに合う色の組紐。
『これなんかどう？結構良さそうじゃない？』
そう聞くとこれにする、と即決した。
組紐を受け取ったAはどことなく幸せそうで、儚げだった。
このままどこかへ消えてしまいそうなほど。
『……そろそろ戻るか。』
柄にもなく泣きそうになってしまって、急いで帰るように促す。
するとAは、偽夏油の呪力を感じとったらしく夏油を助けに行くと言い出した。
このまま送り出すと、もう会えないような気がして引き止めたけれどAの意思は強かった。
もうAのことは誰にも止められないだろう。
覚悟は決めた。
後はもう、笑って送り出してやるだけだ。
"またね”という言葉を添えて。
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getou(プロフ) - 舞さんありがとうございます！これからも頑張るので読んでもらえると嬉しいです (2022年9月27日 15時) (
レス) id: 5a297528ee (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ 応援してます！！ (2022年9月27日 0時) (レス) @page11 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：getou | 作成日時：2022年9月4日 20時
