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「こーら危ねぇぞ」

暑さからの目眩で池に前のめりになる身体
蘭ちゃんに支えられて池の中に落ちるのを止められた






あの時は池に青い空が映っていて幻想的で
魅入ってよろけた時だった、
『危ねーっ』
タバコとガソリンの匂い
匂いと言うのは、記憶をいくらでも呼び覚ます
時に厄介だ。
あ、ママと知り合いだったみたいな人だ。
パパの後輩って言ってた記憶がうっすらとある


『A!

娘を助けてくださってありがとうございます、

あれ?シンイチローくん?』








ちょっとだけど思い出せてスッキリした

「ほらA行くぞー」
蘭ちゃんに手繋がれてお墓に向かう

そうだ、あの時助けてくれた人はママの初恋の人
前に言ってたなぁ。

なんでこんなの今思い出したんだろ。




今日も変わらず蘭ちゃんは
ママとパパのお墓の前で手を合わせて1番長く話する
「今日は何話したの?」

「んー?妹が毎日可愛く育ってますって。」

「嘘。」

「嘘じゃねーって、
こーんなお兄ちゃん大好きっ子に育って
可愛いったらねーよ」
うりうりとほっぺ挟んでくる蘭ちゃんに
仕返しで頬を挟んで、
なんともシュールな光景になったんだろう

「それと、Aがずーっと健康に
俺らの隣からいなくなりませんようにって。」

「それ、フリ?」

「んなわけねぇーだろ。本気だっての」





Aは心配しすぎだーとか言ってるけど
知らないとこで瀕死に近い大怪我食らってきた事も
俺らの前から1度消えた経歴もあるから
冗談で言えねぇんだよ

今はこうしてケラケラ笑ってるけど、
もしも好きな人出来たから表の世界で生きるからとか言って俺らの前から消えるなんでことだってなくもない話
それが怖いんだって。

「ほらほら帰るぞー。
帰りにナス買って、帰りの車作んねぇと」

「蘭ちゃんそういうの割と律儀だよね」

「ママとパパだから。」

嬉しそうに俺と竜胆の前をスキップして車のある方に向かおうとすると
「もしかして、夏目さんのお嬢さん、
Aちゃんかな?」


どっかの葬式かなんかの帰りか
寺の住職は袈裟を着て
バイクのヘルメットを頭につけたまま来た
「あ、そうです、」

「君のお母さんからね、
生前に預かったものがあるんだ。

君が少し大人になった時に会ったら渡して欲しいってね」



ちょっと待っててって戻ってきた住職は
1つの封筒をAに渡した



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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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