。。。753 ページ50
IBARA
−−−−−
.
「……こんなんで、私のご機嫌取れると思ったら大間違い」
.
七「本当ですね」
七「自分は大馬鹿者です」
「何それ」
.
.
気の強いことを言っているくせに。
相変わらず目には涙をたくさん溜めているくせに。
今にもこぼれ落ちてしまいそうなくせに。
.
.
それでもAさんは、小さくはにかんだ。
.
.
だから俺は、ソッと指先で目元を拭ってやる。
対してAさんは、俺の左頬に手を伸ばしてくる。
.
.
「ここの傷は大丈夫なの?」
七「掠り傷ですよ」
「またそんなこと言って…。痕、残ったらどうするの?」
七「更に良い男になってしまいますねぇ」
.
.
当たり前に冗談だが、
「バカ」とAさんに一蹴された。
.
.
そんな他愛もないやり取り。
楽しくて。
懐かしくて。
.
.
“ あぁ、これが“俺たち”だ。 ”
.
.
「それに、見たことない衣装着てるけど、新調したの?」
七「えぇ、まぁ」
「うわ〜」
七「なんです」
.
.
“ あぁ、俺はAさんのことが好きなんだ。 ”
.
.
痛感した。
痛感と同時に、Aさんへの愛おしさが
また溢れて。
.
.
「ちょ、」
.
.
下唇を甘噛みするように。
今度は俺からキスをした。
.
少し長めに。
いや、かなり長めに。
.
.
「〜〜〜〜〜〜!」
.
.
満更でもなさそうに嫌がるAさんが
背中を反らすのに合わせて、
俺も前へ前へと体を倒した。
.
ガツンとヒールで靴の先を蹴飛ばされて
俺は渋々、Aさんから離れる。
.
.
「…っ、調子乗るな」
七「これは手厳しい」
.
.
久しぶりにAさんに、文字通り触れている俺。
よく“この程度”で収まっているなと、
心でひっそりと思っていると。
.
.
《 …キーン 》
.
何やら、不快な高音の電子音のようなものが聞こえて。
.
.
「「…?」」
.
.
Aさんと顔を見合わせたのも束の間。
.
.
.
?『これでマイクは入ったのかえ?』
.
.
899人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じまさき(プロフ) - 斉藤ちくさん» コメントありがとうございます!茨くん燐音くん推しの方にご覧いただけて嬉しい限りです…!労いのお言葉もありがとうございます。引き続きお楽しみいただけますと幸いです🌷 (6月20日 1時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - ちさとさん» いつもありがとうございます*更新でその情緒不安定が解消されるのを願いつつ…。引き続きお楽しみください(^^) (6月20日 1時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
じまさき(プロフ) - 【お知らせ】現在私のTwitterで簡易的ですが、次回作のアンケートを取っているので、ご協力いただけると嬉しいです‼また、頂いてるコメントには後ほどお返事させていただきます!ありがとうございます‼🙇🏻 (6月19日 21時) (レス) id: 01dc0f93ee (このIDを非表示/違反報告)
斉藤ちく(プロフ) - 更新お疲れ様です。茨・燐音担当なので毎度ドキドキしながら読んでおります…!どうかお身体に気をつけて、これからも応援しております。 (6月8日 14時) (レス) id: 771595aedb (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 更新お疲れ様です!!結果はある程度予想はついた…ついたんだけどこれでこれからどうなるか気になりすぎる!!そして茨ぁぁどこ行った!色々情緒不安定ですが応援しておりす😳 (5月29日 7時) (レス) @page45 id: 114e667087 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じまさき | 作成日時:2022年10月26日 23時