澁澤の妹２

39話【双つの黒4】 ページ7

社長は立原の銃と銀の短刀を斬り、鴎外に向かっていく。

二人の武器が喉元にいく。

森「刀は捨てたはずでは？孤剣士【銀狼】ーーー福沢殿。」

社長「メスで人を殺す不敬は相変わらずだなーーー森医師。」

気配を感じない……幻影か。

社長「相変わらずの養女趣味か？」

森「相変わらず猫と喋っておるので？」

その時、社長の体がぼやけて消えた。

森「……立体映像の異能か。楽しい会議でした。続きはいずれ、戦場で。」

社長「今夜、探偵社は呪いの異能者Qの奪還に動く。」

「……だから邪魔するな、と？」

社長「その通りだ。」

森「何故？」

社長「それが我々唯一の共通点だからだーーー【この街を愛している】…街に生き、街を守る組織として、異国の異能者に街を焼かせるわけにはゆかぬ。」

森「組合は強い。探偵社には勝てません。」

はぁ……鴎外は気づいていないのかーーー敦くんがいる意味を。

森「ではまた太宰くん。マフィア幹部に戻る勧誘話はまだ生きてるからね。」

太宰「真坂、抑も私をマフィアから追放したのは貴方でしょう。」

森「君は自らの意思で辞めたのではなかったのかね？」

太宰「森さんは恐れたのでしょう？いつか私が
首領の座を狙って貴方の喉笛を掻き切るのではと…嘗て貴方が先代にしたように。」

鴎外は絵がを崩さず、その後ろには広津の表情がわずかに揺れた。

太宰「鬼は他者の裡にも鬼を見る。私も貴方と組むなど反対です。」

「……ｹﾎｯ…」

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