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お願いに押し負けた。 ページ5

「お願い十河さん!俺に英語教えて下さい!!」

目の前でパンッ、と小気味よい音を立てながら手を合わせた日向くんが、必死に私に頼み込んできたのは朝のHRが始まる10分前だった。

「英語.....?なんで?」
「来月の16日から期末テストあるでしょ?バレー部の合宿あるのに一教科でも赤点あったら合宿出れないって聞いて、それで!」

バレー部合宿なんてあるんだ。元気だなぁと思いつつ、なんで私?と問う。

「え、だって十河さん中間の英語クラス1位じゃん!全教科合わせてもクラス10位以内には入ってたよね?」
「なっ、なんで知ってるの?」
「上位15名は張り出されてたよ。あと俺の友達が教えてくれた!十河さん英語得意だよって!」
「え、そうだったの........」

知らなかった........とびっくりする思いと、どうして友達は私の名前を出したんだという気持ちが交差する。

「でも、私人に教えたことないんだけど」
「大丈夫!それでもいいから!お願いします!!」

ガバッと勢いよく頭を下げられては中々拒否できない。良心が合宿行けないのは可哀想だよ、と告げている。でもなぁ、そもそも私人に教えるどころか会話すらまともにできる自信ないし(今は日向くんのコミュニケーション能力でどうにか成り立ってるけど)、いつやるんだろうとグルグル悩む。

言い淀む私に最後のひと押しとばかりに日向くんが上目遣い気味に私を見て、首を傾げて口を開く。

「お願いっ!どーしても、俺合宿行きたいんだよ!」





「...............分かりにくくても勘弁してね........」



押し負けました。



微かに頷く私に直射日光かなと思うくらい弾ける笑顔を見せた日向くんは「ありがとう!!!」と何度も頭を下げてくれた。

「い、いいよ......」
「あーっ助かったァ!いつが都合いい?」
「そっちに合わせるよ。日向くん部活あるし」
「んとね、休み時間と放課後部活始まる前........あと部活終わりに坂ノ下商店でする予定ではあるんだけど」

凄いな、どれだけ切羽詰まってるんだ。あと3週間弱はあるのに。

「あー........じゃあ休み時間と部活前に教えるよ」
「ほんとに?!ありがとう!部活前は部室に来てくれると助かる!」

よろしくね!と日向くんは再び日光スマイルを見せて席を離れた。


はぁあ、と脱力しながら背もたれに体重をかける。


本当に人と話すのは苦手だ。

色んな意味でびっくりした。→←お礼タイム。



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ちんすこう - 更新しないんですか?凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです! (2020年5月12日 10時) (レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね・・・!知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月8日 20時

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