お礼タイム。 ページ4
突然そう言われて、暫くぽかんとしていたら次々にありがとうと言われてしまう。
「可愛い1年女子が作ってくれたドリンク!!超美味い!!」
「ほんとだぜ龍!ありがとな!!」
「十河さんマネージャーしない!?」
「あ、あの、えっと」
7割くらい谷地さんがしたし、こんなに感謝されるとは思ってなかった。というかバレー部の人達感情表現が大振りすぎる。
全然声を出せないでいる私にすっと助け舟を出してくれたのはかっこいい彼で。
「おい、お前ら。また困らせてる」
「大地さん!」
どうやらかっこいい人はダイチさんというらしい。
「十河さんありがとう。待たせてるのに」
「いや、練習を中断させてしまいましたし、待ってるだけもちょっと、あれなので........」
こちらこそ長居してしまってすみません、と頭を下げる。
「謝る必要ないよ。ありがとう」
「あ、いえ、すみません」
反射的にまた謝ってしまって、ダイチさんは笑ってた。
........なんか、笑顔が可愛らしいし爽やかな人だな。
「すみません、遅くなりました」
「お前らちょっと集合ー!」
ダイチさんの笑顔に釘付けになっていたら、漸くお目当ての武田先生が体育館に入ってくる。多分隣にいる怖い人は監督なんだろう。
「ん?十河さんじゃないですか」
立ち上がった私を見つけてくれた武田先生は私に近寄る。どうしたんですか?と聞かれて、私は鞄からプリントを出した。
........のを、阻止するべく腕を伸ばしたのは日向くん。
「あー!!待って!!」
「わっ」
びっくりしてプリントを落としそうになる。どれだけ提出を阻止したいんだ、日向くんは。
「すみません武田先生!お願いします!部活終わりまで待って下さい!」
「いや、日向くん、授業の時も言いましたけど放課後の提出は不可です」
「そんな!」
絶望!みたいな顔をしている日向くんを私は一瞥して、じゃあこれお願いしますと今度こそ武田先生にプリントを手渡した。
「はい。たしかに。わざわざありがとうございます」
「いえ、頼まれたので。それでは」
ぺこりとお辞儀をして、鞄を肩にかける。
........帰れる........、と少しの安堵と、何故か寂しさが胸に募った。
「えぇー!十河さん帰っちゃうの!?」
「帰るよ........?」
私バレー部じゃないし........と頷けば、心底残念そうな顔をした日向くんと数人。なんで。
「練習、中断させてすみません。イスありがとうございます。部活頑張って下さい」
もう一度お辞儀をして、足早に体育館を出た。
........今日、いっぱい喋ったなぁ。
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ちんすこう - 更新しないんですか?凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです! (2020年5月12日 10時) (レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね・・・!知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏 | 作成日時:2019年9月8日 20時