写真 ページ9
俺は父さんの部屋のドアの前に着き立ち止まった。
ここのドアは他のドアよりも一回り大きく、綺麗な木材で作られている。
俺はそのドア手を近づけ、ノックした。
「入れ。」
しばらくして部屋の中から返事が帰ってきた。
俺はドアノブに手をかけ、ゆっくりドアを開けた。
そして部屋の中に入る。
部屋の中はとても広く壁は全て本で埋め尽くしてある。
千冊は余裕で超えているだろう。
ドアの位置から見て正面の壁は床から天井までガラスで大きなバーガンディー色のカーテンで閉ざされている。
そしてその手前に大きな机があり、たくさんのパソコン、資料などが乗せられていた。
「誰だ。」
低い声が部屋に響き渡る。
その人物は豪華な社長椅子に座り、後ろを向いていて俺の顔は見えていない。
「貴和です。」
するとその椅子はくるりと方向を変え、俺に向いた。
そこには父さんが座っている。
俺の父さんは大手企業の社長で仕事をするときはいつもここにいる。
「貴和か、丁度良かった。この前の件のことなんだがどうなんだ。」
「もう少々お待ちください。」
俺は静かに声を出す。
「じゃあ、あと三日だ。三日待ってやるから早くその少女をここに連れてこい。もし、三日以内に連れてこなかったらもうお前を自由にすることはできない。」
父さんは一旦間をおいてまた口を開く。
「わかってるだろうな。お前は将来、この会社の跡取りになるんだ。お前にとってこの時間は大切なんだぞ。その時間をこいつらと一緒に過ごして費やすんじゃない。」
そして机の上に置いてある一枚の写真に目を向ける。
「わかっております。ですが父さんの思っているほどの人間ではございません。」
「それはお前に下心があるからだろ。この少女がどういう人間かは俺が決めることだ。だったらさっさとしろ。」
「はい。では、失礼します。」
俺は父さんに背を向け、部屋を出た。
『この前の件のこと』というのは丁度一週間前の出来事だった。
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ミッキ(プロフ) - 復習が復讐になってますね (2022年7月16日 15時) (レス) @page22 id: 309455b65e (このIDを非表示/違反報告)
莉彩 - 私もいつか書いてみたいです (2022年2月23日 15時) (レス) @page33 id: c5d006ac64 (このIDを非表示/違反報告)
莉彩 - とっても面白かったです。マカロンyさんのほかの作品もよんだけどどれもおもしろかったです (2022年2月23日 15時) (レス) id: c5d006ac64 (このIDを非表示/違反報告)
ooooooooo - って、他の人が言ってましたね^^; (2022年2月13日 22時) (レス) id: 5ba6c307c9 (このIDを非表示/違反報告)
ooooooooo - 復習が復讐になってますヨ (2022年2月13日 22時) (レス) @page22 id: 5ba6c307c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マカロンY x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/makaronny21/?w=1
作成日時:2018年10月2日 5時