【ハイキュー】女王様は休みたいようです【短編集】 (ページ2)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:4,463 hit

及川【憎悪にも勝る愛】ページ2

及川side

Aは、最近多忙を極めている

合宿も終わって、普通の夏休みでも。学校が始まっても。どんなときでも

別にはたから見たらAはいつも通り寝ていたり、適度に仕事をしたりって普通かもしれないけど

俺はそう見えない

まずスマホを見る時間がだいたい2時間くらい増えた。今日は2時間20分ほどで昨日に比べて10分くらい増えた。…これが部活中から帰りまでの間だけの時間なのだから、見てない時間はどれくらい連絡してるのかわからない

俺の、俺たちのものだったのに

……うわ、急にどっかの黒猫の顔思い出した。俺のものなんか言ったから。……それでも、Aは俺たちのもので、俺たちはAのものだ

絶対的な女王様に逆らうものなどもう居ない。完全な調和と平穏。…それでもAが忙しいのはただ1つ

及「…増えたからだよねぇ、従者が」

岩「脈絡のない発言をするな。Aの話か？」

及「そこで分かってくれるとこが岩ちゃんなんだよね〜」

隣で一緒に登校する幼なじみは多分俺の考えを読めているんだろうな

こんな、醜い嫉妬。……いっそ、憎悪とも取れるようなこの気持ちを

岩「今のお前に刺さるとは思えないが、Aが一番大切にしてるのはやっぱり俺たちだと言えるぞ」

及「俺はその中の一番が欲しいんです〜」

岩「ウワめんどくせぇ」

わかってるけど、それでもやめられない

俺に構ってくれないAが、構われているであろう他校のヤツらが、焦る俺を冷ややかに見る仲間が

全員余裕があるように見えて憎らしい

俺はこんなにも切羽詰まって、Aを懇願して憎んでしまいそうなくらい愛してるのに

岩「……ま、杞憂だと思うぞ。ほら、Aいるぞ」

及「え、なんで…？」

Aは朝練開始ギリギリに運ばれてくるはず

それなのに鍵を開けられる前から外にしゃがみこんで、どうして？

俺たちの声に反応してかAがゆっくりと顔を上げる。いつもよりもいくばくか眠たそうだ

『よかった。早起きしたかいがあったな』

及「え、え、なんで？早く来たかったなら言ってくれれば俺泊まってでもAを迎えたよ？てか国見ちゃんたちは？1人なの？」

『質問が多い。サプライズだからこれでいい、英たちは時間がちょっと早いから置いてきた』

及「サプライズ……？もうなんか意味わかんないよ、どうしたの急に」

『はいこれ。夢崎いたり合宿があったりで祝えなかったから。ピッタリ2ヶ月遅刻のプレゼント』