▼.第25話 ページ27
カラ松「知ってたさ。」
彼はそう言って、くるりと十字架の方を振り返った。
表情は見えない。
私は言葉の意味がうまく分からず、え、と言葉にならない声を出した。
カラ松「知ってたんだ、最初から。
初めてAと出会った時、とうとう迎えが来たんだと思った。
しかし…その事が分かったというのに俺は死に対して恐怖を抱かなかった。それよりももっと、Aに惹かれてしまった。」
彼はそのまま続ける。
私はまだ意味が把握できない。一体何が言いたいのだろう。
カラ松「…でもまあとうとうこの時が来たと思うとやはり少し怖いな。
死んでしまえばもう、そこには静寂と孤独しかない。
…Aにももう会えないかもしれない。」
A「あ、あの…神父様、」
カラ松「すまないな、俺を殺す前に一つだけ聞いてくれないか。」
A「や…やめてください、私、貴方を…」
私は耳を塞ごうとした。
これ以上聞いてしまったら、もう私は駄目になってしまう。
しかしカラ松さんは不意にこちらへ近づいてきて、私の手を掴みそのまま話を再開した。
カラ松「こんな事を言うのは的外れで、狡いかもしれない。でも言わせてくれないか。
……俺はずっと…A、お前のことが好きだったよ。
お前に殺されるのなら本望だ。」
彼はそう言って笑った。
私は苦しかった。
目の前が真っ白になって、何も考えられなくなった。
なのに、どうしてだろう。
こんなに幸せな気持ちになるなんて、死神としてどうかしている。
A「…あ、はは。何でそんなこと言っちゃいますかね」
カラ松「…A？」
A「私だって……私だってｯ、神父様のことずっとずっと好きでしたよ！！なのに…こんなのって……」
私は後ろ手に隠していた鎌を落とした。
それはカランといった音を立てて床に転がる。
…あまりにも残酷だ。
とても“仕事だ”といって割り切れない。
ぽたりと雫が落ちた。
留まることの知らない涙は次々と溢れてきて、もう限界だった。
A「……お願いです、神父様。
私を、どうか。
どうか、消してください―――…ｯ」
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サクラ - これのアフターストーリーが読みたいです！ (2017年4月24日 21時) (
レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 望 心己さん» ありがとうございます！更新(そして返信)遅れてすみません〜(>_<)頑張りますね！ (2017年1月9日 22時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
望 心己 - 面白いですね! 楽しかったです! 頑張って下さい! (2016年12月18日 16時) (レス) id: a64fa2085a (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 黒バイさん» カラ松「ああ、心配をかけたな。傷は負ったがなんとか生きてるぞ。」だそうです…！よかった！！(( (2016年8月8日 18時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - カラ松様！無事ですか！？ (2016年7月29日 9時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかろ | 作成日時：2016年4月30日 15時
