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▼.第8話 ページ10

Aside




A「女神…様…?」


私がそっと声をかけると、その人はゆっくりとこちらを向く。




緑色のその冠が、とてもよく似合っている。

私は思わずぼんやりとその人を見つめ、はっと我に返る。




女神様に会いに来たのだ。


相応な態度をとらないと。







A「あ…あの!初めまして。
私はAです。
すぐ近くの教会でシスターを務めさせて頂いています。
本日は神父様のご紹介でこちらに参りました」



まあ、紹介されたのは今日じゃなかったりで少し嘘を混ぜたりしてるけど…



女神様は気だるげに私の声を聞き、一言言った。




「そうですか。」



…え。





A「や、あの…女神様…?」

「何ですか。もうご用件は済んだでしょう」




はあ、とため息をついて女神様は言う。


確かに、用件はもう無い…というか、元々ない。

でも何となく、ここで引き下がるのは違うと思った。




A「女神様、お名前は何でしょう?」

「…私に名前は、」

A「ありますよね?」




女神様は驚いたように目を見開いた。

そんなこと、聞かれたこともないと言った顔だ。




…それもそうだろう。


普通、「名前はない」と言われて「嘘だそんなはずはない」とか、しかも女神様に向かって言わないだろう。


なのに私は何で女神様にきちんと名前があると確信したのだろうか。





分からない。



本当に、ただの直感だ。



が、その直感はどうやら当たっていたらしい。






「私の…名前は……」


震えるその透き通った声。

私はそんな声が、小さく、ある言葉を紡ぐのを聞き逃さなかった。






「チョロ松」

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サクラ - これのアフターストーリーが読みたいです! (2017年4月24日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 望 心己さん» ありがとうございます!更新(そして返信)遅れてすみません〜(>_<)頑張りますね! (2017年1月9日 22時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
望 心己 - 面白いですね! 楽しかったです! 頑張って下さい! (2016年12月18日 16時) (レス) id: a64fa2085a (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 黒バイさん» カラ松「ああ、心配をかけたな。傷は負ったがなんとか生きてるぞ。」だそうです…!よかった!!(( (2016年8月8日 18時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - カラ松様!無事ですか!? (2016年7月29日 9時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まかろ | 作成日時:2016年4月30日 15時

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