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▼.第29話 ページ31

おそ松「……、あっそ。」


イラッとしたように顔を歪めたおそ松は、それ以上彼に話しかけなかった。
代わりに、不機嫌そうに私に声をかける。


おそ松「んで、お前はどうすんの?それでもこいつ守るわけ?」

A「あ、当たり前でしょ…」

おそ松「…だってよ一松」


おそ松が俯いて、呟くように言った。
その時だった。


鈍い音と共に、背後からドンという衝撃を受けた。



何が起こったか分からなかった。
気づけば、私は冷たい教会の床に倒れ、真横になったおそ松の姿を目に映していた。


一松「…ほんっと、残念」

一松が視界に入った。
その手には真っ赤に染まった大鎌が握られている。
その時私は初めて、自分が鎌で切られたのだと知った。

背中に鈍い痛みが走る。
意識が少し、遠のいた。


カラ松「A…!」

一松「A。あんたは優秀だった。自分の感情を殺してまで任務を全うする辺り、僕でも尊敬してた。
…なのに、堕ちたもんだね。」


上手く声が出ない。
喉でひゅう、と空気が通る音がする。
…鉄の匂いが鼻をつく。


一松「安心しなよ。すぐに楽になる。そしたらもう人を殺さなくて済むよ。…まあもっとも、この神父には会えないかもだけどね。」

カラ松「A、しっかりしてくれ…!」

一松「…これでトドメ。お疲れ様、A。」


カチャ、と鎌が音を立てる。
カラ松さんが苦しみながら私の名前を呼んでいる。


―――――カラ松さん。

私は最期まで、貴方を守れなかった。



そうして最期に私が見たのは、カラ松さんの涙と、おそ松のとても悲しそうな顔だった。




.

▽.***→←▼.第28話



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サクラ - これのアフターストーリーが読みたいです! (2017年4月24日 21時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 望 心己さん» ありがとうございます!更新(そして返信)遅れてすみません〜(>_<)頑張りますね! (2017年1月9日 22時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
望 心己 - 面白いですね! 楽しかったです! 頑張って下さい! (2016年12月18日 16時) (レス) id: a64fa2085a (このIDを非表示/違反報告)
まかろ(プロフ) - 黒バイさん» カラ松「ああ、心配をかけたな。傷は負ったがなんとか生きてるぞ。」だそうです…!よかった!!(( (2016年8月8日 18時) (レス) id: 94982d6870 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - カラ松様!無事ですか!? (2016年7月29日 9時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まかろ | 作成日時:2016年4月30日 15時

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