065 - 幻滅してほしかった - 大貴side ページ17
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- 大貴 side
全部言い訳だし身勝手なのは分かってるけど、ここまで彼女から好意を持たれてるとは思わなかったんだ。
だから…
(「知らない男に気安く触られてんじゃねぇよ」)
(「嫌なことは嫌だ、ってはっきり言えるようになんないと……どうなるか分かるか？)
わざとキツく当たった。
怪我しない程度に乱暴に突き飛ばして無理やりキスして…
こんなダメな男を好きになったんだ…って幻滅して欲しかった。
ついでに男に対する警戒心も持つようになればいいって思った。
なのに…
(A「やめてほしくない。
………大貴くんが好き……だから」)
そんな茶番じゃAの気持ちは揺らがなかった。
なんでよりによって俺なの？
俺自身も……何やってんだか。
店で呑んでる時や並んで歩いてる時、腕や肩が不意に触れたらAは露骨に顔赤くした。
微笑みかければ動揺して目が泳いで、でも嬉しそうで…
そんな様子を見て、可愛いな、って思った。
これまでだって同じ反応する女の子はいたけど、彼女に対しては違う感情を持った。
もっと色んな表情を見てみたい、って思うようになっていた。
好意を持たれてることが…正直嬉しかった。
冷えきっていた心が温まっていくような…
こんな感覚、初めて。
やっぱ会わなきゃよかった。
あいつが言った通りだ。
こんな感情を持つなんて…許されるはずない。
突っ立ったまま考え事をしていると、突然後ろから腕が回ってきた。
A「ねぇ、好き。 もうどうしたらいいか分かんない」
いつのまにか風呂から出てきたAが、背中から抱きついてきた。
「ちょっ……」
落ち着け………冷静になれ。
彼女の腕を掴んで解いたら、回り込んできて今度は正面から抱きつかれる。
「A、待っ ーー」
A「ちょっとだけでいいから。
お願い………大貴くんに触ってほしい」
自分で言ったくせに、恥ずかしくて堪らなくなったらしくて、俺の背中に回した手にきゅっと力を込めながら、顔を真っ赤にして涙目で見上げてきた。
だめ…？ って。
不安げに訊いてくる彼女の目から涙が溢れた。
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん！だだ…だ大ファンです…！信じられない…有難う御座います！！(T-T) (2020年3月4日 12時) (
レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー！続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2020年1月17日 23時
