066 - 甘えてしまおう ページ18
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さっき強引にキスされた後から、自分の気持ちが止められなくなってた。
“好き” って気持ちをぶつけたい。 彼の優しさに甘えてしまいたい。
今夜だけ…
一晩だけでいいから…
髪を適当に乾かして浴室から戻ると、私がシャワーを浴びに行った時と同じ場所で立ち尽くしてる彼が見えた。
背後から近付いて抱きつく。
「ねぇ、好き。 もうどうしたらいいか分かんない」
小柄な体格のせいか一見華奢に見える彼は、抱きついたことで服の上からでも分かるくらいがっしりとした身体つきをしてることに気付いた。
大貴「ちょっ……」
どきどきしながら、背中に身体を密着させる。
ビクッて驚いた彼は状況を理解したらしく、私の腕をたしなめるように解く。
意を決して正面からもう一度抱きついた。
大貴「A、待っ ーー」
「ちょっとだけでいいから。
お願い………大貴くんに触ってほしい」
たった一晩。 お酒に酔った勢いでいい。
憐れな女だと思われてもいい。
大貴くんの気持ちが、
直接的な表現をしたのが急に恥ずかしくなって、胸元に顔を埋めた。
今どんな顔をしてるのかな。
きっと引いてるよね…
「だめ……？」
だめ…に決まってるよね、こんなの。
わかってる。
驚いたように目を見開いてる彼。 目をぎゅっと瞑って眉間にしわを寄せて視線を外した。
大貴「なぁ…どうすりゃいいの？」
「……？」
独り言？ やっぱり気のせいじゃない。 前にもこんなことあった。
こういう時、たぶん彼は私じゃない別の誰かのことを考えてる。
私の知らない誰かに…問いかけてる。
「余計なこと…かんがえないで」
肩に手を置いて、そっと唇を彼のそれにくっつけた。
大貴「っ！！ ……ぬぁあ〜もぉ！」
茶色くてパーマのかかった髪をガシガシ掻いた後、目の前にいる私を睨み付けた。
不貞腐れた子供みたいな膨れっ面で。
こんな表情も好き。
まだ会ってから日が経ってない関係。
知らないことだらけ。
もっと色んな表情を見たい。
目の前にいる愛しいその人にもう一度キスをした。
今度は驚くことも怒ることもなく、
彼の手が頭の後ろに優しく添えられて、熱い口付けが静かに始まった。
ーー
＊作者より
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始まりを君に*大人編 - Daiki.A
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もちもち(プロフ) - せりかさん» コメント頂けてると思わず御返事遅くなりすみません; わわ…せりかさん！だだ…だ大ファンです…！信じられない…有難う御座います！！(T-T) (2020年3月4日 12時) (
レス) id: e672c225a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりか(プロフ) - こんにちは、初めまして。私は他の方のお話をあまり読まない方なのですが、もちもちさんのお話は文章が綺麗で楽しく読ませて頂いてますー！続き待ってますね。(^^) (2020年2月8日 15時) (レス) id: 02a6a09f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち
| 作成日時：2020年1月17日 23時
