魔界の森の王子様【0125BD】 (ページ17)

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バラの花びらが浮かぶお風呂にゆっくりと入っていると

窓のあたりからカタンと音がした。

「誰？！」

一瞬、一緒にお風呂に入ろうと言って彼が来たのか…と焦ると

｢ニャーン｣

可愛らしい声で鳴く、シルバーの毛並みの猫がいた。

「……ひょっとして…あなたも人間の言葉を話すの？」

「ニャーン…」

……考え過ぎか。

この世界にいると、全ての生き物が

人間の言葉を話すように思ってしまう。

「…お前はどこから来たの？」

ゆっくりと頭を撫でてやると

ゴロゴロと喉を鳴らしながら

眠そうに目を細めると

窓にもたれるようにして眠ってしまった。

私は、シャワーを浴びると

バスローブを羽織り落ち着かない気持ちのまま

フワフワのベッドへとダイブした。

「ニャーン…」

私を追いかけるようにして猫もベッドへと来ると

私の胸に頭を擦り付けるようにして眠ってしまった。

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『てめぇは何で俺様のベッドでくつろいでやがる！！！』

「…ん？」

目を開けると、魔王が鬼の形相で怒ってる。

「あ、え…ごめん…なさ」

『おい！二宮！さっさとAから離れろ！』

……二宮？…って、誰？？

「もう…翔ちゃん、そんな怒んないの」

そう答えたのは…さっきまで私の胸元で寝ていた猫。

「俺だって、時間外労働して、人間世界から戻って来たんだから…疲れてるだよ。」

「え！この猫も話せたの！？」

それを聞いてニヤリと微笑む猫。

「さっき、Aちゃんと一緒にお風呂入ったもんね～♪」

『ふ、風呂に入っただとーー！！』

「見ちゃった♪」

『てめー！』

「翔ちゃんいいこと教えてあげようか？」

猫が口の端を上げて笑い、

チョイチョイと魔王を手招きした。

「まだ…ピンク」

『はい？』

「チク○…ピンク…だったよ笑」

「……っ///」

『お前が先に見て、どうすんだよ！！
絶対に皮を剥いで三味線の皮にしてやる！！！』

魔王は怒りもあらわにすると

猫を追いかけながら、部屋を出て行った。

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