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桜河「……な…」
『あんさんがこうして日の目をみて幸せになるためやったら、俺はどんなことをしてでも手伝ったる。やから、何かあったら呼んでな』
ただ少し俯いて立つこはくくんを他所に、俺は喉に手をやった。
…うぇ、指に血がついてもうたかなぁ…
茨になんて言い訳しよう。
桜河「…なんでそんな優しくするん。わしは、あんたを殺そうとしたんやぞ」
『殺す気はなかったんやろ？ぽやぽやしとる坊ちゃんやと思わんといて欲しいわ。そんくらい分かるっちゅうの』
喉がジクジクと痛む。
…嫌やなぁ、これ。
絶対風呂の時しみるやん…
叫んだら凛月に怒られそうやな。
いや…怒るっちゅうのは違うな。
無駄に過保護になりそう。
え〜…それもそれで嫌やねんけど…
小さくため息をついて、会議室の扉に手をかける。
まだこはくくんは俺を見とった。
どこか、不安げに。
でもまぁ…その不安を取り除いてあげられるのは俺やないし。
ま、少しだけなら。
『な、ここはええ所やろ？』
ただそう笑って、俺は会議室を後にした。
チラッと時計を見れば、会議の集合時間から2分の遅刻。
…ま、2分ならええか。
こっから近いし。
たたたっと少しだけ駆けて、本来の目的やった会議室に滑り込む。
『堪忍』
茨「妃殿下、ちょっと遅刻でありますよ！なんて嘘ですよ………って妃殿下！？喉に…！？」
茨が慌てたみたいにすっ飛んできて、俺の喉をがっと押さえた。
…息止まるねんけど。
ま、圧迫止血してくれてんねやろうけど。
『あー、引っ掻いた』
何故か茨が持ってた包帯を巻いてもらう間に事情聴取をされたから、こう答えた。
馬鹿ですか？という呟きと共に、会議が始まる。
仮にも大貴族の当主に向かって馬鹿ってなんじゃこいつ。
でも…なぁ、こはくくん。
やっぱりここは、ええところやと思うよ。
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魚(プロフ) - あめんぼさん» ご愛読頂きましてありがとうございました！ (2021年8月21日 17時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
あめんぼ(プロフ) - とても面白かったです。 (2021年8月20日 20時) (レス) id: 446f4af563 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 初坊さん» ご愛読頂きましてありがとうございました！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年8月19日 19時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
初坊(プロフ) - 完結、おめでとうございます！とても素敵な作品でいつも更新楽しみにしていました。この作品にであえて本当によかったです！ (2021年8月18日 19時) (レス) id: 8f51cef084 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - さばかんさん» ご愛読頂きましてありがとうございました！そう言っていただけて嬉しいですー！新作でもよろしくお願いします！ (2021年8月18日 17時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2021年8月11日 12時
