《5》 ページ18
Aside
あのお昼休みから1週間と半分が過ぎた。
俺とレオと泉は始終一緒にいるようになって、周りからはいつメンなんて呼ばれてる。
中でもレオとはほんとにずっと一緒にいるから、たった10日ほどしか一緒にいないのに、親友って呼べるくらい仲良くなった。
俺にとってそれは快挙であり、本当に嬉しいことで。
絶対に大切にする！って決めたんだ。
泉はお仕事の関係上あんまり会えてなくて、友達以上親友未満、って感じ？
でも会った時はずっと一緒にいるし、それなりに仲はいいと思う！
レオと2人でふざけ倒した時とかはゲンコツされるけど。
あれほんっっっとに痛い！
泉全力でゲンコツするんだもん！
ほんと酷いよな。
『レオ〜？』
ともあれ今はレオを探してる。
俺とレオは弓道部だから、今日は一緒に部活出よう！って話になったんだっけ。
でも、俺は佐賀美先生に心臓のことで呼び出されてて、レオには先に行っててもらった。
にしても弓道部か……
ガラ悪い奴の巣窟みたいなところあるからなぁ…
なるべく顔は出したくないよね。
でも弓道って格好いいし、結構好き。
心臓弱くても頑張れば出来るし、いつでも平静を保つっていう練習にもなるし！
それに、レオがいれば怖いものはないよね〜
ふんふん♪と鼻歌を歌いながら弓道場付近に来た俺は、弓道場が少しおかしいことに気づいた。
いつもならいるガラ悪い奴らがいない…？
いや、別にそれに関しては嬉しい限りなんだけど。
これから先も来なくていいよ、って思うし。
でも確か、弓道場への道すがらにすれ違ったんだっけ…？
なんか慌てたみたいに…逃げるみたいに弓道場と反対方向へと走ってったけど……
…………………嫌な予感がする。
俺は弓道場への歩を早めた。
『レオ〜！どこ〜？俺心臓弱いんだからあんま探させないでよ〜………っと…？』
弓道場の周辺を探していたら、猫の声が聞こえた。
確か最近ここら辺をうろちょろしてる猫だった気がする。
何か助けを求めるように、ずっと鳴いてる。
んー…本当はレオ捜索を優先したいけど……もしも猫が怪我してたら大変だもんね。
俺は猫の声がする方に足を向けた。
しばらく歩いて、猫の声が大きくなってきた所で、俺の足は止まった。
『……な、に………あれ…………………レオ…！？』
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作者名：魚
| 作成日時：2020年11月25日 12時
