He is a danger to society.【文豪ストレイドッグス】≪男主≫

爆弾 ページ9

『太宰くん…、まさかだとは思うけど、あの人実際は爆弾魔ではないでしょ。』


急いでいた国木田に連れてこられた雑居ビルの四階。武装探偵社。

爆弾魔が立てこもったのなんだの言われたが、
一連の様子…今は中島が爆弾魔の相手をしているが、それを観察していたウィリアムは、
どこか違和感を感じ太宰に小声で尋ねた。

言い当てられ、一瞬真顔に戻る太宰だったが、すぐに笑みを戻してどうしてだい？
と、聞き返した。



木で隔てられたその死角の場所で木の葉の隙間から窓付近の机に居座る爆弾魔を一瞥しウィリアムは続ける。



『あの人、そもそもシャチョウとやらが狙いならスケジュールなんてものは入手しておくべきだ。
探偵社員の名前やら異能力やら調べているのならなおさらだ』


「…ふぅーん。それに?」


『もう一点はそうだな。
彼はあの狂気を何かで演じている…武装探偵社は異能力遣いがたくさんいるときいたから、粗方異能力だろう。



あと、あの爆弾はTNTと書いてあるが。導線がついている。

TNTには導線なんてものはいらない。というか、TNTは導線が不必要にしたいために考案された爆弾なんだ。


TNTに導線はついているなんて吃驚ものだしボタン可動式のように見せていて滅茶苦茶すぎる。


素人にも程があるんだ。


どうだい？』

「ビンゴ。」


やっぱりなと鼻で嗤う。
太宰はそう嗤うウィリアムにもう一つ問いかけた。


「そうだ。”本物である”君だったらどういう風に奇襲するんだい？」

その質問にんーと唸りながら腕を組み悩むような様子を見せるウィリアム。

『そうだな。僕だったらちゃっちいTNTなんかじゃなくてもっと強力な…

爆薬はHINW…できることならば実験としてオクタニトロキュバンを自らの手で作成してそれを使用した殺傷能力の高い爆弾を使用したい。

本来の僕であったらあんな風に立てこもらないのだけれども…
そうだな、もしあのように立てこもろうとするならば

なるべく異能力者がいないときに奇襲をする。
また、それも社長の不在時だ。



わざと、いないときに行うさ。


爆発した報を聞きつけたシャチョウの目の間でまた別の爆弾を爆発させて周りの人間を巻き込ませシャチョウを潰す。』


「なかなかえぐいね。さすがだ。」

『それはどうも。』




.

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