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38:怯え 不安 ページ39




朝だろうか。

鼻に何か料理の匂いが届く。

そうだ、よく作ってくれた野菜スープ。

……誰に作ってもらったんだっけ。

起きようとすると、何かずり落ちる。

タオルケット……?誰かかけてくれたの?



キッチンの方に、人影を見た。

私に似た髪色の毛先。髪はとても長かった。

しかし、こんな親戚居ないはず。居たってきっとあの曲に気付くはずがない。

その人がこちらに来る。

『……?!…』


黒い目、輝きの残るその目はどこかで見た。

芯のある、しっかりとした目。

「突然、ごめんなさい。

私は、…忘れたれた、“妹”です」



妹、妹。

私にそんな人居ただろうか。



いや、そんな事より。

先程話したあの声。

夢と殆ど同じ。

朦朧とした夢の世界で凛とした声が響く。

あの声と同じだった。

そういえば今日は違う夢だった。

暗闇を落ちる時、浮遊感を感じた。

いや、闇の中を歩いていたのだ。


「……そういえば、食欲ありますか?」

『へ……。』

食欲。

あぁ、さっきから匂うこれは食事なのか。

小さく頷く。

彼女は小さく微笑むと、少し待ってくださいといい、キッチンに戻った。


やがて、スープ皿を手に、戻ってきた。


……美味しそう。

いや、食事を久しぶりに見たせい?

スプーンですくって食べれば、野菜が口の中で崩れる。


人に作ってもらった料理なんて、久しぶりだなぁ。

口に広がる野菜の甘味を噛み締めながら、スープを食べ終わる。

……さて。

暖かくなり、落ち着きが戻ると、頭も回転する。


『……改めて、助けてくださってありがとうございます。

それと質問です。

教えて欲しいんです。私の妹、その意味を教えてください。』



空想、妄想。

流石にそれは怖いけど。

しっかりした目に嘘の文字は見えなかった。

人を騙すような目ではい、そんな気がした。

だって、私が信じる目とそっくりだから。

39:残酷→←37:忘れられた…



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みつ豆サブ(プロフ) - 猫好きのミンティアさん» 無痛症あるんですか!教えていただきありがとうございます!続き早めに更新します! (2017年12月7日 16時) (レス) id: a8ae1c5830 (このIDを非表示/違反報告)
猫好きのミンティア - うろ覚えですが痛覚欠落障害に似たようなもので無痛症というものがありますよ!続き正座待機してます)^o^( (2017年12月7日 14時) (レス) id: 032370afdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みつ豆 | 作成日時:2017年11月1日 21時

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