自.傷.少.女【歌い手】

36:SOS ページ37

．


『お願い…。気付いて……。』


そんな言葉を最後に、意識は途切れる。

あの声は聞こえない。

ただ、違うといえば。

今、私は暗闇を落ちているということだけ。



−−−−−−−??side

ブブッと通知がスマホに入る。

自傷少女さんのTwitteから?

すぐに開き、最新ツイートをすぐに確認した。


動画を添付した、なんの言葉も書かれてなかった。

声は酷く、歌詞だって聞き取りづらい。

でも、一つだけは絶対にわかった。

何かが起きている。

誰がそんな風にしたなんて今は気にしてられない。


住んでいる家が変わってなきゃ、きっとまだ居るはず。

ねぇ、まだ覚えていますか？


まだ、覚えていたら。


あの時のように、貴方を呼びたいなぁ。



いつも使ってるカバンを持って、家を飛び出す。

電車で二駅ほど過ぎた後、懐かしい景色が目の前に広がる。

深呼吸をして、一気に走る。

見慣れた住宅地を駆け抜け、一件の家の前で止まる。




久しぶり、だね。

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